タイガーが挑むコーヒーの世界。「理想の一杯」を生む開発の裏側

一杯のコーヒーの味わいは、温度など抽出条件のわずかな違いで大きく変わります。今回は、商品開発の久木野と商品企画の間谷に、誰でもおいしく淹れられる一台を実現するために追求している技術と、開発への想いを聞きました。

目次

「おいしいコーヒー」の正体を突き止めるために

私がコーヒーメーカーの開発に抜擢されたのは2020年頃のことです。もともとコーヒーについては詳しくなかったので、開発を担当することになってから少しずつ知識を増やしていきました。まずは豆を購入し、挽いて淹れてみたところ、道具や淹れ方によって香りや味が違うことに気づきました。とても嗜好性が高いジャンルであると同時に、正解がないからこそ、趣味としてはどんなレベルでも楽しめるものだとも思いました。

ただ、お客様にご購入いただく製品の開発者としては、感覚だけでない裏付けが必要だと考えました。そこで、産地別の豆の特性や流通経路、品質管理といったコーヒーの専門知識を学ぶため、コーヒーインストラクター1級の資格を取得しました。

知識を取得してから改めてコーヒーメーカーに向き合ってみると、お湯の温度や注ぐ角度、お湯を注ぐ場所などで風味や味が変わる点が気になってきました。コーヒーを抽出する工程はどのようにすればよいのか、味の幅を広げるにはどうすればよいのか、品種ごとに最適な淹れ方はどのようなものなのか、など、追求すべき点が無限にあるということがわかりました。

幸いにも、タイガーには長年培ってきた「熱とお湯を自在にコントロールする」という絶対的な技術があります。この技術で、コーヒー豆が持つポテンシャルを最大限引き出す。そんなコーヒーメーカーの開発という仕事に、非常にやりがいを感じています。

用途に応じて最適化されたタイガーのコーヒーメーカー

主な商品を何点かご紹介します。まず、こちらが「ADC-G060」というライトユーザー向けのモデルです。オン/オフの操作のみで抽出が可能なシンプルなモデルで、最大6杯分の抽出が可能です。サーバーは洗いやすく割れないステンレスを採用しています。

特長は、注湯部とフィルターの間にある「テイストマイスター」です。山状の面を上にしてセットすると、周辺部の主に4つの孔からお湯が注がれ、雑味を抑えたすっきりとした味わいになります。同じ部品を裏返してセットすると、すり鉢状の中央部にお湯が集まるため、濃厚な味わいになります。フィルターケースは、ペーパーとの間に空間を作ってコーヒー粉をしっかり膨らませるために、リブを深めに設計しています。

この製品は特にご夫婦(+子ども)の世帯で人気です。一度で6杯まで淹れられますので、ご家族で分け合うのにちょうどよいサイズ感です。コーヒーメーカーといえば黒が多いですが、キッチンの色に合わせたものを購入したいというお声も頂きますので、「ADC-G060」では白を、サーバーがガラス製の「ADC-H060」ではダークブラウンをラインナップに取り入れました。

こちらの「ACJ-B120」は、一度に最大12杯抽出できる大容量モデルです。来客の多い方や、朝、自宅で飲む分とボトルに入れて職場に持って出かける分をまとめて淹れているという方にご利用いただいています。一般的に、たくさん抽出しようとすると時間がかかって味のムラが出やすくなってしまうのですが、このモデルはお湯がシャワー状に注がれるのでムラなく抽出できます。

また、コーヒーメーカーを開発する際の重要な工程のひとつに、水を加熱する役割を担っているヒーターの選定があります。小さいモデルに高出力のヒーターを使ってしまうと、必要な抽出時間を十分確保できず薄くあっさりした味になってしまいますし、大きなモデルに低出力のヒーターを使ってしまうと雑味が多くなってしまいます。

このモデルでも12杯抽出しても雑味が出ないように、ヒーターを選定しています。

「ACT-E040」は、サーバーがまほうびん構造になっているのが特長です。温かいままテーブルに置いておけますし、ヒーターで加熱しないので煮詰まって味が落ちるということもありません。真空断熱技術を得意とするタイガーらしい商品と言えるかもしれません。

粉にスチームをかけて蒸らしてから抽出するレギュラードリップの他、市販のドリップバッグや、UCCドリップポッドにも対応しています。

使いやすさとデザインで「コーヒー時間」を豊かに

コーヒータイムを快適に過ごしていただけるよう、部品の取り回しの良さも追求しています。例えばこちらの「ADF-A060」は、フィルターの取り付け部分にマグネットが仕込まれていて、片手でかんたんに取り外しできるようになっています。ちょうどいい吸い付き加減になるよう、磁力の調整に苦労しました。

その他のモデルでも、水タンクが取り外し可能になっていたり、食器洗い乾燥機に対応していたり、愛用者アンケートでお客様から頂くリクエスト等を反映している部分が大きいですね。嗜好品だからこそ、用途に応じて商品を選べるようにバリエーションを広げています。

味に直接関わる部分ではありませんが、このような点も快適性につながるので、デザインと機能性とお手入れのしやすさのバランスは常に意識しています。

キッチンや食卓にコーヒーメーカーが置いてあることで、会話が弾んだらいいなと思っています。例えば、先ほどご紹介した「ADF-A060」は、砂時計のようにコーヒーが抽出される様子を見て楽しんでほしいと考えて、ガラスサーバーを採用しました。少しずつサーバーから落ちて溜まっていく様子を眺めながら、大切な人たちとの時間を過ごしてくれたら嬉しいですね。

タイガーのコーヒーメーカーが、お客様の時間を豊かにするものであればいいなと思っています。家族で一緒に飲むのもいいですし、一人でゆっくり味わう時間も大切ですよね。それぞれの楽しみ方ができるよう、コンパクトモデルから大容量まで揃えています。

また、コーヒーメーカーは嗜好性が高い商品なので、日常に溶け込むコンパクトさが求められます。電子レンジや冷蔵庫などの大型家電が優先されがちなキッチンのなかで、場所を選ばず、空いたスペースに置けるようスリムな形状の商品を増やしています。

日本だけでなく、世界中にコーヒーメーカーを広めたい

今後は、豆が挽けるモデルや、味を追求した本格的なモデルを開発できたらと考えています。お湯の温度や注ぎ方をさらに向上させた、コーヒー愛好家の方にも十分に満足していただける商品をお届けしていきたいです。

世界にはまだコーヒーメーカーが普及していない国や、自宅でコーヒーを飲む習慣がない国もありますので、日本だけでなく、世界中の方に、タイガーのコーヒーメーカーを使った幸せな団らんの形をご提供していきたいですね。

一度にどのくらいの量を抽出したいのか、保温機能が必要なのかどうか、どのような淹れ方でコーヒーを飲みたいのかなど、嗜好によって多種多様なコーヒーメーカーが販売されています。ぜひ、自分のライフスタイルに合った1台を見つけてほしいなと思っています。

コーヒーメーカー ADF-A060

コーヒーメーカー

コーヒーメーカー ADF-A060

ハイブリッド抽出が、豆本来の甘みと旨味を引き出す。

コーヒーメーカー

コーヒーメーカー ACT-E040

3WAYでプロの抽出を手軽に楽しめる。

コーヒーメーカー

コーヒーメーカー ACJ-B120

たっぷり12杯分を抽出。

コーヒーメーカー

コーヒーメーカー ADC-G060

お好みに合わせて2つの味わいを楽しめるテイストマイスターを搭載

プロフィール

久木野 景介 / くきの けいすけ

タイガー魔法瓶株式会社 商品開発グループ 開発第1チーム

プロフィール

間谷 仁美 / かんたに さとみ

タイガー魔法瓶株式会社 ソリューショングループ 商品企画チーム

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