TIVIP採用の保冷輸送機材
真空断熱リーファーコンテナ/真空断熱スリーブボックス/真空断熱ロールBOX

• 真空断熱パネル
• 物流

大阪・関西万博会場内の各パビリオン/飲食店等への保冷貨物輸送に活用開始。
電気エネルギーの消費を抑え、CO2削減に貢献。

開発背景 – 冷蔵冷凍輸送における課題

近年、冷蔵冷凍輸送需要が急速に拡大しています。
その背景には、ライフスタイルの変化に伴う冷凍食品やチルド食品の消費拡大、EC市場や宅配サービスの成長、
医薬品・ワクチンなど温度管理が必要な商品の流通増加があります。
これにより、低温を保ったまま製品を運ぶ輸送手段への依存が高まっています。

一方で、冷蔵冷凍輸送は一般的な輸送に比べてエネルギー消費が多く、CO₂排出量も大きいという課題があります。
とくに冷凍車の冷却装置やアイドリング運転による排出が問題視されており、地球温暖化対策の一環として、CO₂排出量の削減が不可欠となっています。
そのため、今後の冷蔵冷凍輸送では、需要の拡大に対応しつつ、環境負荷の低い輸送技術の導入や、再生可能エネルギーの活用、効率的な物流設計など、
サステナブルな取り組みが求められています。

課題に対するソリューション

当社が新たに開発した、薄型かつ優れた断熱性能を持つステンレス密封真空断熱パネル「TIVIP」を、岐阜プラスチック工業の軽量・高強度な樹脂製ハニカムパネル「テクセル」と組み合わせることで、軽量で堅牢な断熱ユニットパネルを実現しました。

この断熱ユニットパネルを日本通運の輸送用スリーブボックス「プロテクトBOX」へ採用し、「プロテクトBOXサーマル」として作り上げることで、輸送時の温度を長時間安定的に保つことが可能となり、従来必要だった蓄冷材・蓄熱材の使用を削減。
電力消費を大幅に抑えることで、冷凍冷蔵輸送におけるCO₂排出量の低減に貢献します。

万博での運用実績と今後の展開イメージ

万博では、2025年5月27日より、会場内で提供される食品・飲料・土産物など温度管理が求められる貨物輸送において、温度維持機能を持つ保冷輸送器材の活用が開始されました。輸送中には温度データの取得・管理を行い、今後の商品化に向けた検証や分析も実施されています。

プロテクトBOXサーマルは2026年度の商品化を視野に、夏季の温度上昇抑制や冬季の凍結防止といった課題に対応しつつ、食品、医薬、電子部品、美術品など多様な分野への展開が検討されています。

また、今後導入を検討している真空断熱リーファーコンテナ（冷凍・冷蔵）では、「TIVIP（真空断熱材）」の追加実装による効果を見える化するために、消費電力や二酸化炭素排出量の比較検証を実施する予定です。省エネ性能の向上や環境負荷の低減といった具体的なメリットを、数値でわかりやすく示していきます。

万博での実証実験における協業パートナーについて

『未来社会ショーケース事業』「フューチャーライフエクスペリエンス」でも展示予定

「ステンレス密封真空断熱パネル技術」は、カーボンニュートラルに資する最先端技術の開発・実証にチャレンジする企業を後押しする事業である、大阪府の「カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の支援を受け、開発・実証を行っております。
この度、「ステンレス密封真空断熱パネル技術」の一部を、2025年10月7日から10月13日までの期間、2025年日本国際博覧会『未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博』「フューチャーライフエクスペリエンス」にて展示します。

■日時2025年10月7日（火）から10月13日（月）
■場所万博会場内（西エントランス広場側） フューチャーライフヴィレッジフューチャーライフエクスペリエンス
■展示内容タイガー魔法瓶ステンレス密封長寿命不燃真空断熱パネル技術開発・実証
※「カーボンニュートラル技術開発・実証事業」事業者合同でのブースとなります。

関連リンク

真空断熱技術について＞
タイガー魔法瓶のコアコンピタンスである「真空断熱技術」とは？

ステンレス密封真空断熱パネル TIVIP＞
高断熱性、長寿命、不燃性を実現し、輸送用や建築建材の分野での活躍が期待される、タイガーのステンレス密封真空断熱パネルの仕組みや特長をご紹介。