炊飯器の選び方

知れば変わる! 炊飯器選びの十箇条

1万円以下のお手軽なものから、5万円以上の高価格帯までさまざまな種類がある炊飯器。その中から自分にぴったりの炊飯器を選ぶのは至難の業です。
「そもそもどこを見て選べばいいの?!」と困ってしまっている人も少なくないはず。そんな炊飯器選びに迷えるあなたに、炊飯器を買う際に心がけるべき十箇条を指南いたします。

一、 自分に合ったサイズを使うべし

何はともあれ最初に見るべきなのは、サイズです。
1人~2人暮らしで普段食べるごはんの量が1合程度の人は、1合~3合サイズを選びたくなるかもしれません。でも、実は普段炊く量より少し大きめサイズの炊飯器がおすすめ。ごはんと内ぶたの間に空間を持たせることでお米が対流しやすくなるため、炊きムラが防げておいしく炊きあがります。1人~2人暮らしなら3合~5合炊き、3~5人暮らしなら5~5.5合炊き、3世代同居の家族なら8合~1升炊きがちょうどいいサイズになります。

二、 使う場所をイメージすべし

次に考えるといいのは、キッチンの収納場所や使うシーン。
正面だけでなく裏面のスッキリ感を見て、自宅キッチンに置いたときの使い勝手や、どう見えるかをイメージしてみましょう。機能ももちろん重要ですが、見た目がおしゃれな方がごはんを作る時のテンションも上がりますよね。最近の炊飯器は、デザインや色も幅広く展開されています。その中からきっと、自分の生活空間に合うものが見つかるはずです。

三、 便利機能をチェックするべし

せっかく買うなら、便利機能がある方がお得でうれしいもの。
たとえば、最近では「エコ炊き機能」。エコ炊きでは、保温の温度が通常よりも低めのため、電気代が節約できるんです。また、最近では「タッチパネル」が搭載された炊飯器も。まるでスマートフォンのような感覚で楽に操作できます。そして、忘れてはいけないのが「保温機能」。ただ温めるだけでなくごはんの水分を保ち保温してくれるタイプなら、炊きたてのおいしさを長く楽しめますよ。

四、 加熱方法を見極めるべし

ごはんの味にこだわるなら、加熱方法がポイントです。
加熱方法には主に「IH式」と「マイコン式」と呼ばれるものがあります。「マイコン式」にはお手頃価格の炊飯器が多いですが、釡底からの加熱のみになるため底部と上部で温度のムラが生じやすくなります。一方「IH式」は、釡全体が発熱して効率よく加熱できるため、お米の一粒ひと粒にしっかりと熱が伝わり、ムラなく均一にごはんを炊くことができます。おいしいごはんを食べたいと言う人には「IH式」がおすすめです。

五、 マイコン式は厚みを比べるべし

予算上「マイコン式」を買おうと思っている方は、内なべの厚みを比べて選ぶようにしてください。
一般的な「マイコン式」は内なべの厚みが薄いものが多いので、保温の際に乾燥が進みやすく、ごはんもパサパサになってしまいます。できるだけ厚みのある内なべを選ぶことで、保温性能の低さをカバーできます。

六、 IH式の2つの種類を知るべし

「IH式」に決めたなら、今度は「圧力」か「スチーム」なのかを見てみてください。「IH式」の中にも、熱を伝える方法によって違いがあります。
「圧力IH式」と「スチームIH式」です。
「圧力IH式」は、圧力をかけて高火力でお米を炊きあげられるタイプ。お米のうまみや甘みをしっかり引き出せます。
もう一つの「スチームIH式」は、圧力の代わりにスチームを使って加熱するタイプ。特にお米の銘柄にこだわる方に向いています。

七、 内なべの素材を知るべし

加熱方式に加えて、内なべの種類もごはんのおいしさに大きく影響しています。
内なべは大まかに言って、金属と金属以外の2種類に分けられます。鉄、ステンレス、アルミなどの金属釜は、熱伝導性や熱効率の良いため素早くごはんを炊くことができます。それに対して自然素材を活かした土鍋や炭の釡は、蓄熱性や遠赤外線の効果でお米に熱が良く伝わるのでふっくら炊きあがります。金属釜の中には、土鍋と同じ素材の粉末を吹き付ける「土鍋コーティング」を施すことで、土鍋の性能に近づけているモデルもあります。

八、 味優先なら土鍋を選ぶべし

早炊き機能を使うなら金属釜が向いていますが、おいしいごはんを炊きたいなら土鍋釜がおすすめです。
土鍋の特徴は、一般的な金属釜より温度が高くなること。金属釡のなべ底温度が約110~130℃なのに対し、タイガーの土鍋炊飯器では最高280℃までなべ底温度をあげることができます。ごはんおいしくなる秘密は、内なべの加熱が高いほど促される「α化(糊化)」という現象。お米のでんぷんを変化させ、粘りや弾性、甘みを引き出します。

九、 多彩な炊飯メニューがあるかを見るべし

お米をよりおいしく炊きたい人は、多彩な炊飯メニューがある炊飯器を選びましょう。
ごはんのやわらかめ~固めは水の量で調整できますが、圧力とIHの組み合わせによって食感も変えることができます。玄米や雑穀米などは吸水時間がそれぞれ異なるので、圧力を使った専用コースで炊くとおいしく出来あがります。
お好みでねばり加減やおこげのつき具合などの調節や、全国各地の銘柄米をお米に合わせて炊くことができます。

十、 お手入れ方法を確かめるべし

おいしいごはんが炊けても、お手入れが面倒だと大変ですよね。
炊飯器は日常的に使うものだからこそ、使い勝手の良いものがおすすめ。高機能化に伴って部品数が多くなっていた時期もありましたが、最近では内なべと内ぶたの2点だけを洗えばOKというお手入れのしやすさにこだわった最新機種もあります。また、コーティングや防汚加工など、汚れのつきやすさや落としやすさは種類によって異なります。お手入れにどれくらいの手間がかかるのか、部品数や加工をチェックしてみましょう。