土鍋を知る

炊飯器でも土鍋ごはんが楽しめる!土鍋ごはんが美味しいワケは?

土鍋で炊いたごはんはふっくらつやつやとしていて、粒がしゃっきりと立つような炊きあがり。土鍋ごはんはどうして美味しいのか、その理由を解説します。実際の土鍋で炊くのは自信がないという方には、土鍋のように炊ける炊飯器もおすすめですよ。

土鍋は素材の特性である熱伝導率、蓄熱性、遠赤効果により、美味しくごはんが炊ける

土鍋を使うとなぜごはんが美味しく炊けるのでしょうか。それには土鍋の特性である「熱伝導性の低さ」と「蓄熱性の高さ」「遠赤効果」が関係しています。

土鍋ごはんが美味しく炊ける理由(1)熱伝導性が低い

土鍋は熱伝導性が低いので、温まるまでに時間がかかります。金属製の鍋に比べて、沸騰するまでの温度上昇がゆるやかなのが特徴です。実はこれが、ごはんが美味しく炊ける理由のひとつ。米に含まれる酵素の「アミラーゼ」には、米のでんぷんを分解し、甘味やうま味を作り出す働きがあります。アミラーゼが活性化する温度帯は40~50℃くらい。熱伝導性の低い土鍋は、この温度帯が長く続くため、米の甘味やうま味がぐんと出て美味しく炊きあがるのです。

土鍋ごはんが美味しく炊ける理由(2)蓄熱性が高い

土鍋は蓄熱性が高く、いったん温まると冷めにくいのが特徴です。いったん沸騰させたら、そのあとは弱火に切り替えても、高温を保ち沸騰状態(泡立ち)を長時間キープすることにより、お米がムラなく仕上がります。火を止めて蒸らしている間も高温をキープし、余計な水分を飛ばして一粒ひと粒が立った美しい炊きあがりになります。

土鍋ごはんが美味しく炊ける理由(3)遠赤効果

土鍋の持つ遠赤効果で、中まで火が通りやすく、全体を均一に加熱することが可能になり、お米の内部まできっちりと熱を伝え、お米をむらなくふっくら炊きあげることができます。

土鍋ごはんの基本の炊き方(3合)

では、実際に土鍋ごはん(米3合分)を炊くときの手順をご紹介します。料理用の土鍋でもごはんを炊くことはできますが、炊飯用の土鍋のほうが吹きこぼれしにくいように縁が高くなっているので炊きやすいでしょう。

お米を洗ったら浸水する

お米を洗ったら浸水させます。時間は、夏場は30分、冬場は1時間~1時間半が目安です。お米が水を吸ったらザルでしっかりと水気を切ります。次に土鍋に米を移して、水を入れましょう。米3合に対しての水の量は600~650mlが目安ですが、米の種類や時期によって水の量は調整が必要です。一度炊いてみて、二回目以降は好みの仕上がりになるように水加減を調節しましょう。

土鍋を火にかけて炊く

土鍋を中火にかけて沸騰させます。沸騰するまでの時間は10分ほどかけるのが理想。沸騰したかどうかがわかりにくい場合は、蓋を取って中を確認しても大丈夫です。沸騰したら弱火にして15分ほど炊きます。15分経ったら一度ふたを取って中身を確認してみましょう。フツフツとしてまだ水分が多そうなら、さらに1~2分、水気がなくなるまで火にかけます。火を止めてふたをしたまま10分蒸らせば、土鍋ごはんのできあがりです。

蒸らしたあとはごはんをほぐす

蒸らしたあとは、ごはんをほぐして余分な水分を飛ばします。ごはんの表面にしゃもじで十字の切込みを入れて、全体を混ぜるように米粒をほぐすのがコツです。土鍋は吸水性に優れているので、蒸気を吸収してごはんがベチャつくのを防いでくれます。それでも心配なら、しっかり絞った布巾を鍋と蓋の間に挟んでおくのがおすすめです。

魅力的な土鍋でも、デメリットもある

土鍋で炊くごはんはとても美味しいのですが、土鍋はお手入れを怠ったり、保管の仕方を間違ったりすると、破損やカビの原因になることも。土鍋を使う際の注意点についても確認しておきましょう。

土鍋は使う前に目止めが必要

土鍋は使用前に目止めをしなければいけません。目止めとは、土鍋の表面をコーティングする作業のこと。土鍋の小さな穴を塞いで匂い移りを防いだり、ヒビ割れを防止したりする効果があります。簡単なやり方は、おかゆを炊くことです。米のでんぷんが土鍋に空いた小さい穴を埋めてくれます。

熱いままの状態で冷水にかけない

土鍋を水洗いする場合は土鍋が完全に冷めてからにしましょう。熱い状態のままで急に冷たい水をかけてしまうと、土鍋が割れたりヒビが入ったりすることがあるので注意が必要です。

洗剤は使いすぎない

土鍋は基本的に洗剤を使わずに洗います。傷がつかないようにナイロン製のスポンジなどで優しく洗いましょう。汚れが落ちずどうしても洗剤を使いたいときには使っても問題ありませんが、手早くサッと洗う程度にします。

洗ったあとはしっかり乾かす

土鍋を洗ったあとは、通気性のよいところでしっかり乾かしましょう。湿気が残ったままの状態で片づけてしまうと、カビが生える原因になります。水分を含みやすい土鍋の底を上にした状態で乾燥させるのがおすすめです。

炊飯器でも土鍋の美味しさが楽しめる

ここまで土鍋でごはんを炊く方法をご紹介してきましたが、「ちょっと面倒そうだな…」というイメージを持った方も多いかもしれません。もっと簡単に、土鍋で炊いたごはんの美味しさを楽しめたら嬉しいですよね。最近は、炊飯器で土鍋炊きごはんの美味しさを再現できるような高機能の機種も登場しています。土鍋でごはんを炊くよりも手軽に炊けて便利です。

おすすめはIHタイプ

炊飯器には、「IHタイプ」と「マイコンタイプ」の2種類があります。マイコンタイプは底にヒーターが付いていて、熱を直接釜に当てて加熱します。ヒーターと内釜を接触させることで熱を伝えて加熱しますが、加熱ムラができやすいというデメリットも。一方、IHタイプは、IHにより内釜を直接加熱するので、加熱ムラを抑えることができます。これが、IHタイプ炊飯器の方が土鍋ごはんに近い炊きあがりになる理由です。

圧力機能付きならさらに美味しく

圧力機能の付いた炊飯器なら、さらに美味しくごはんを炊きあげることができます。米に含まれているでんぷんは「βでんぷん」とよばれ、そのままでは美味しくありませんが、水と熱を加えることで「αでんぷん」に変化して美味しくなります。βでんぷんがαでんぷんに変化する「α化」は温度が高いほど起きやすいのですが、水は100度までしか上がりませんよね。そこで圧力をかけることで沸騰温度を高くしているのが圧力機能付きの炊飯器です。100度よりも高い温度でごはんを炊くことでα化がより進み、お米の甘味やうま味を最大限に引き出すことができるのです。

土鍋ごはんが炊けるタイガー「土鍋圧力IHジャー炊飯器シリーズ」

釜全体をまんべんなく加熱するIHタイプで、さらに圧力機能が付いた炊飯器がおすすめと伝えましたが、さらに内なべが土鍋でできているタイプなら、まさに本物の土鍋で炊いたような美味しいごはんが楽しめます。それが、タイガーの「土鍋圧力IHジャー炊飯器<炊きたて>」シリーズです。

土鍋圧力IHジャー炊飯器の内なべは、世界中から厳選した土を使用して、職人が手掛ける本土鍋です。最新モデルの「JPL-G100」では炭化ケイ素を配合することで熱伝導率が従来の内なべの2.5倍に。土鍋専用のフッ素コーティングを施してあるので、高火力にも耐えられる強度を保証しています。本土鍋なので、金属鍋に比べると沸騰中の気泡が細かく均一。そのため、気泡が米を包んで炊飯中に傷つけにくいというメリットもあります。最高温度は280度。土鍋の遠赤外線効果による輻射熱で一粒ひと粒を芯からじっくり加熱します。炊きあげ時に1.25気圧の圧力でお米の粘りともちもちとした弾力を引き出した後1.05気圧まで減圧しお米の美味しさを引き出します。

炊飯器なら炊飯もお手入れも簡単

土鍋でごはんを炊くには、お米を浸水させたり温度を調節したりという手間がどうしても必要です。しかも、土鍋自体のお手入れにも気を配らなければなりません。そのため、仕事や家事、育児の両立で忙しい家庭では、土鍋よりも炊飯器を選んだほうがライフスタイルに合っているかもしれません。

炊飯器なら、全自動のタイマー付きなので、米を洗ってセットしたらほったらかしでOK。炊飯中にほかの家事を済ませることができます。土鍋のように利用前の目止め処理や長時間乾燥させる必要もないので取り扱いもラクです。食器洗いと同じように洗剤を使ってサッと洗えるのも嬉しいポイント。ごはん以外に煮込み料理を作ったり、お菓子作りにも活用できたりと、いろんなシーンで使えるのも頼りになります。

おうちのごはんが美味しいという幸せ

毎日食べるごはんだからこそ、味にはこだわりたいですよね。土鍋で上手にごはんが炊けるようになると、食事の質が大幅にアップして、より豊かな暮らしができるようになります。毎日忙しくて、土鍋でごはんを炊く自信がないという方は、土鍋炊きに近い味が再現できる炊飯器を取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと毎日の食事の時間が楽しみになりますよ。