おいしいごはんの炊き方

冷凍ごはんで炊きたてのおいしさを再現するには?冷凍・解凍のコツ

電子レンジであたためれば、食べたいときにすぐに食べられる冷凍ごはん。とても便利なので、常に冷凍庫にごはんを入れている人も多いのではないでしょうか。しかしなかには、冷凍ごはんは炊きたてのごはんと比べると、味や食感が劣ると感じている人もいるでしょう。そのような人に朗報です。正しいポイントを押さえて冷凍・解凍すると、冷凍ごはんもおいしく食べられます。この記事では、冷凍したごはんを炊きたてのようにおいしく食べるためのポイントを紹介します。

ごはんを保温・冷蔵ではなく「冷凍」するメリットは?

ごはんが余ったとき、炊飯器の保温機能を使うか、冷蔵庫に入れるか、冷凍するか、迷った経験はありませんか。理由を含め、どの方法が一番ごはんをおいしく保存できるのかを解説します。

まず炊飯器の保温機能において、長時間の保温は避けた方がよいでしょう。なぜなら保温機能で保存したごはんは、時間の経過と共に乾燥や変色、においが出てまずくなるからです。

また、冷蔵庫での保存も水分が飛んでデンプンが老化し、ごはんがパサパサになってしまうため、おすすめできません。

一方冷凍保存は、ごはんのおいしさを左右する水分を保ったまま保存でき、味が落ちにくいのが特長です。

おいしいごはんと、そうでないごはん。両者の違いは、お米に含まれるデンプンの状態が関係しています。炊飯したお米のデンプンは、糊のように粘り気をもつ「糊化」という状態になります。この状態がいわゆる「おいしいごはん」です。この糊化したごはんが冷め、デンプンが「老化」すると、ごはんの味が落ちます。

そのためごはんをおいしく保存するには、粗熱をとってからデンプンが老化する前に水分を閉じ込めて冷凍する方法が一番です。

ごはんの冷凍に使えるアイテム

ラップはプラスチック容器などに比べ、冷凍庫の場所を取らずに保存できるため、ごはんの冷凍によく使われるアイテムです。ラップの上からアルミホイルで包んだり、フリーザーバッグに入れたりすれば、さらに保存状態を良くし、におい移りを防ぎます。

一方ラップ以外に、プラスチック製の保存容器を使用しごはんを冷凍している人もいます。保存容器ならごはんを包む必要がなく、解凍して容器のまま食べられるので便利です。

炊きたてを維持するごはんの冷凍方法

できる限り炊きたての状態をキープして、おいしくごはんを保存するための方法を紹介します。

ラップでごはんを包むコツ

ラップでごはんを包む場合、粗熱をとってから包むことが大切です。粗熱をとらずに湯気も一緒に包むと、ごはんにベタつきが残ってしまいおいしく保存できません。また、解凍しやすいように、ごはんはお茶碗一杯分ずつ小分けにすると便利です。食べる人が複数いる場合はもちろん、その日の食欲や体調に合わせて調整できるよう、ごはんの量を変え、いくつか包むとよいでしょう。ラップに包んだごはんは平たく同じ厚さにしておくと、早く冷凍できるだけでなく、電子レンジにかけたとき均一に解凍できます。

冷凍の手順とポイント

ごはんをおいしく保存するには、お米の中のデンプンが水を含み、ふっくらしている炊きたての状態で冷凍することが重要です。つまり、いかに短時間で冷凍できるかが、ごはんをおいしく保存するポイントになります。

ただし、炊きたてのごはんは熱々なので、そのまま冷凍庫に入れると、冷凍庫に入っている他の食材に影響を与える恐れがあります。そのため、ごはんを冷凍する場合は、必ず粗熱をとってから冷凍庫に入れましょう。

熱伝導率の高いアルミトレーやアルミホイルをごはんの下に敷くと、素早く熱を取り冷凍速度が上がります。アルミトレーは、100円ショップなどで手軽に手に入るのでおすすめです。さらに、冷蔵庫に急速冷凍機能がある場合は、この機能を使えばより早く冷凍できます。

なお、炊飯器の中には、冷凍ごはんを解凍した際の”パサつき”やレンジ再加熱時の”ベタつき”を抑えて芯までふっくら炊きあげる「冷凍ごはんメニュー」を搭載するものもあります。このような炊飯器を利用すれば、冷凍保存しても炊きたてごはんのおいしさを保つことが可能です

冷凍ごはんは解凍方法でも差がつく!解凍のコツは?

冷凍ごはんをおいしく食べるためには、解凍方法にも注意しなくてはなりません。まず、冷凍ごはんの解凍は電子レンジが基本です。電子レンジで解凍する際、「解凍機能」では温かいごはんにはならないので、解凍機能ではなく「あたため機能」であたためましょう。

では、以下で電子レンジを使用した解凍手順を紹介します。

①冷凍庫から出した冷凍ごはんをラップのまま、電子レンジに入れます。 ②600Wで30秒~1分程度加熱し、箸でほぐせるくらいごはんが柔らかくなったら、耐熱のお茶碗に移します。 ③ごはんを箸でほぐして余計な水分を飛ばした後、ふんわりとラップをかけ、再度600Wで2分程度あたためます。

このように2回に分けてあたためる「二段階加熱」を行うと、余分な水分がとび、ごはんがべちゃっとしません。ただし、ごはんの量によって加熱時間は異なるので、様子を見ながら時間の調節をしてください。

そのほか、蒸し器やフライパンを使って、冷凍ごはんを解凍することもできます。耐熱容器にごはんを移して容器ごと蒸したり、フライパンで湯煎したりする方法です。どちらも10~15分と解凍時間は長めですが、ごはんをふっくらと解凍できるメリットがあります。

冷凍ごはんの賞味期限は?

ごはんをラップで包んだだけの状態で冷凍庫に入れた場合は、水分が抜けやすいため1週間ほどでおいしさが落ちます。また賞味期限内であっても、解凍したごはんを再度冷凍すると味が落ちるため、食べる量だけを解凍するようにしましょう。

ごはんを冷凍してから日が経ってしまい、「食べられるけれど、おいしくない」と感じる場合は、次の章で紹介する冷凍ごはんのアレンジレシピを試してみてください。

冷凍ごはんを使ったおすすめアレンジレシピ

冷凍ごはんを解凍したら、水分が多くてべちゃっとしていたり、逆にパサパサだったり。そのまま食べるにはおいしくないと感じる場合は、チャーハンやピラフにしてしまいましょう。味が落ちたごはんも、具材を加えて炒めるとおいしく食べられます。

また、スープの入った鍋に凍ったままのごはんを投入するスープごはんもおすすめです。市販のスープを使えばあっという間にできるので、朝食や夜食にもよいでしょう。同じ要領でたまごを流し入れて雑炊にしたり、チーズをたっぷり入れてリゾットにしたりと冷凍ごはんは幅広いメニューにアレンジできます。

賢い保存方法を実践して毎日おいしいごはんを食べよう!

毎日おいしいごはんを食べるための冷凍・解凍方法について、さまざまなポイントを紹介しました。とはいえ、おいしい冷凍ごはんを食べるには、そもそもおいしいごはんを炊かなくてなりません。もし、冷凍ごはんがおいしくないと感じているなら、炊飯器や炊き方を見直すのも一つの手段です。

「おいしいごはん=土鍋ごはん」のイメージをもつ人も多いでしょうが、土鍋炊きはハードルが高いと感じてはいませんか。しかし炊飯器の中には、内なべに本土鍋を使い、土鍋ごはんのようにおいしいごはんが炊けるタイプもあります。ごはんがおいしくなると、毎日の食生活が豊かになるため、ぜひ検討してみてください。