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─Z世代が問う─ タイガー魔法瓶とSDGs Vol.4 環境先進都市・亀岡市の中学生の、環境問題へのひたむきな想い

タイガー魔法瓶㈱と京都府亀岡市は、2021年7月に「かめおか未来づくり環境パートナーシップ協定」を締結し、使用済みステンレス製ボトルの回収と再資源化のサーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に取り組んでいます。今回は、実際に使用済みステンレス製ボトル回収の取り組みに参加した、亀岡市立南桑中学校の先生と生徒会のみなさん(画像左から谷口さん、齋藤さん、若林さん)に、参加した感想をインタビューしました。
一人では環境は守れない。
企業や行政と協力することで、大きな変化を起こせる
氏田 昨年11月下旬に亀岡市内の小・中・義務教育学校に使用済みステンレス製ボトル回収ボックスが設置されたそうですね。この取り組みのことを聞いたときはどう思いましたか?
谷口さん 「担任の先生が各クラスでプリントを配って説明して下さったのですが、古くなって使えなくなったステンレス製ボトルはリサイクルできるということをそのとき初めて知り、とても驚きました。

世木先生 南桑中学校では、生徒たちを中心に数年前から環境活動に取り組んできました。ステンレス製ボトルが回収できるということは私も知らなかったので、生徒たちには「こんなものも回収できるんだね、まだまだ知らないことがたくさんあるね。」という形で伝えました。
谷口さん 南桑中学校だけの取り組みではなく亀岡市や企業との取り組みなので、とても大規模で壮大だなと思いました。環境問題って一人で取り組んでも大きな変化は起こせないけど、企業や行政と一緒に取り組むことで環境問題に大きく貢献できるのかなと思います。
氏田 その通りですね。今回、実際にこの取り組みに参加してどう感じましたか?
齋藤さん 使えなくなったステンレス製ボトルがリサイクルされて新しい製品に使われる、自分が使ったものが生まれ変わって全国の人に届けられる、ということを知って嬉しく感じました。これからも色々なリサイクルの取り組みに積極的に取り組んでいきたいなと思います。
谷口さん リサイクルできると知られていないものでも、南桑中学校で回収に取り組んでいきたいと思いました。みんなが普段から捨てているペットボトルなどのプラスチック製品はよくリサイクルされていますし、南桑中学校でも以前から取り組んでいますが、ステンレス製ボトルについては捨てる機会自体があまりないので、それがリサイクルできるということを知る機会も少ないと思います。
若林さん 結果として、南桑中学校では11本のステンレス製ボトルが集まりました。11本という数字は一見少ないですが、取り組みをする意義はあったと思います。
齋藤さん 亀岡市全体では、ステンレスボトルは311本集まりました。その中で南桑中学校は11本だけでしたが、みんなが家族に呼びかけてくれたおかげで集まった11本なので、ちゃんとみんな環境のために動いてくれているんだなと思って、とても嬉しかったです。
氏田 すごいですね、亀岡市全体で311本も集まったんですね!
谷口さん 南桑中学校のみんなが参加してくれてすごく嬉しかったです。日頃から環境問題に取り組んできたおかげかなと思います。
亀岡市環境政策課 橋本さん みなさんにとって、日常生活の中で環境問題に取り組むことが当たり前になっているというのは素晴らしいことだと思います。時代の先を行っていますね。
氏田 これまでも様々な環境に関する取り組みをされてきたんですね。
亀岡市の継続した環境教育
世木先生 この子たちは入学したときから、亀岡市の環境政策の話を聞くなど、ずっと環境について学んできました。その延長線上に今回のステンレス製ボトル回収の取り組みがあったので、環境に関する取り組みの一連の流れの中で、この活動に参加しました。環境問題について考える土台はしっかりできていると思います。
氏田 継続して環境教育を受けているからこそ、環境問題の全体像が見えているということですね。


未来を担う次世代の、環境に対する意識の変化
氏田 南桑中学校での一連の環境活動を通して、日常生活の中で意識が変わったことはありますか?
谷口さん これまで色々な企業と一緒に環境への取り組みをしてきました。普段買い物に行ったときに、お店にリサイクルボックスが配置されていたりするのを見ると、環境に関する取り組みは、実際に社会の色々なところで取り組まれているんだということを実感します。
若林さん 僕も買い物に行ってお店に貼ってある環境に関する取り組みのポスターを目にすると、僕らだけでやっている取り組みじゃないんだなと、そのポスターを見ることで、普段から色々なところで行われている取り組みだということがわかり心強く思います。自分たちが行っている環境の取り組みがより多くの人に届いてほしいなと思います。
タイガー魔法瓶 南村 こういった活動を自分たちが中学校でやっているんだよということを、中学校以外のお友達やご家族の間にどんどん広げて伝えていってくれたら、それが一番我々にとってはありがたいことだなと思います。発信してもらうことが大事なので、みなさんの発信力に期待しています。ぜひよろしくお願いします。
世木先生 数年前の南桑中学校と比べても明らかに生徒たちの意識は変わってきています。このステンレス製ボトル回収の取り組みを始めたときのように、「こんなこともできる、あんなこともできるんだ」とどんどん環境活動に対する視野が広がってきていると思います。これからはこの子たちが亀岡市の未来を担っていくので、環境に対するこの意識を保ちながら大人になって、家族や周りの人々にも伝えていってほしいなと思います。
タイガー魔法瓶 西 みなさんの発言がしっかりしていらっしゃってかっこいいなと思って聞いていました。20年後活躍しているのは皆さんです。自分の周りの人や自分の子どもたちに対して、同じようなことが言えるように、物を大切にするとか、それが当たり前になる社会にしてほしいと思います。できることからたくさんチャレンジしていってください。応援していますので、頑張ってください。
ハキハキと環境の取り組みについて語る南桑中学校のみなさんを見て、これからの社会を担う仲間としてとても心強く感じました。南桑中学校では、さまざまな角度から環境活動に取り組んできました。その一環として、今回のステンレス製ボトル回収に参加したということでしたが、サーキュラーエコノミーのモデルに共通するものがあるのではないでしょうか。「環境問題って一人で取り組んでも大きな変化は起こせないけど、企業や行政と一緒に取り組むことで環境問題に大きく貢献できるのかなと思います」と谷口さんが仰っていたように、さまざまな分野で協力し活動の規模を広げていくことで環境を変えることができます。より多くの人が環境問題に関心をもち、協力しあうことの重要性を語ってくれました。ご協力下さった南桑中学校のみなさん、ありがとうございました!
ライタープロフィール
現役大学生・氏田
国際協力学科の大学3年生。難民問題や環境問題、宗教など幅広く勉強中。現在インターンをしながらマーケティングを学んでいる。SDGsを達成し、世界から少しでも貧困をなくしたいと思っている。