日常の「ちょっとした幸せ」をデザインする。タイガー電気ケトルの哲学。

毎日の何気ない瞬間に寄り添い、使う人の日常を少し豊かにする。タイガーの電気ケトルで目指したのは、単なる機能性だけではありません。電気ケトル開発担当の藤川が、デザイン・使い勝手・安全性へのこだわりを語ります。
目次
デザインも使い勝手もシームレスに。
電気ケトルの開発時、デザイナーと何度も議論を重ね、合言葉のように共有してきたテーマがあります。それは「デザインも使い勝手もシームレスにする」ことです。
分かりやすい例が「スイッチの操作感」です。長い爪やネイルをされている方でもスムーズに押せるよう、ボタンの大きさや沈み込む深さを調整し、指先に負担のかからない設計を目指しました。
また、電気ケトルからお湯を注いでいるとお湯が跳ねることがありますが、注ぎ口付近につなぎ目や隙間があると、そこに汚れが溜まってしまいます。汚れてもすぐにふき取れて、日々のお手入れがしやすくなるよう、電気ケトルの外側はつなぎ目のないデザインにしています。

タイガーでは、商品企画の段階で「どのような方にどのようなシーンで使ってほしいのか」をしっかり検討します。
例えば、「PCV-Aシリーズ」は、0.6L~1.2Lまで4種類のサイズに分かれています。容量が大きいモデルはファミリー層に使っていただくことを想定して取っ手の形を変えていたり、コンパクトなモデルは一人暮らしの方を想定して重量を軽くしたりしています。
毎日使うものだからこそ、手にした瞬間の「違和感」は禁物です。電気ケトルを持ってみたら想像以上に重かったり、持ち手が太すぎたり細すぎたりすると、普段使う上でちょっとしたストレスにつながってしまいますよね。何度も微調整を繰り返し、お客様が意識することなく自然に使える「持ち心地」を緻密に設計する必要があります。
なんだか使いやすそう」と思ってもらえるために細部を意識

先ほども少し触れましたが、商品企画や開発において「お客様が毎日使ううえでストレスを感じる部分があるかどうか」という点は必ず意識しています。
実は私自身がそうなのですが、「お湯が沸くまでの時間てもったいないな」と感じる時がよくあります。例えば、お茶を飲みたいと思ったら、湯呑みやお茶の葉の準備が終わったタイミングでお湯が沸いている状態になっていると、時間を無駄にしないで済むじゃないですか。そのような状態にしたくて、カップ1杯分のお湯を短時間で沸かすというスピードにもこだわりました。
部品の削減や小型化で販売価格を抑えられるかもしれませんが、行き過ぎれば操作性を犠牲にすることにもなりかねません。たとえば、開閉を補助する部品を省いたためにフタが重くなったり、サイズを詰めすぎてボタンが押しにくくなったりすることは、毎日のストレスにつながってしまいます。お客様がタイガーの電気ケトルを手に取った瞬間に「なんか使いやすそう」「毎日使ってもストレスなさそう」と思ってもらえるように、細部にもこだわって開発しています。
機能性の先に描く「お客様の笑顔」
「蒸気が抑えられているから、リビングやダイニングにも置くことができる」「お湯が飛び跳ねて注ぎ口付近が汚れたとしても、きれいにふき取ることができる」「短時間でお湯を沸かせるから、お湯が沸くのを待つ時間が少なくなる」といった、タイガーの電気ケトルを使ったことによるちょっとした幸せが広がっていってほしいです。一つ一つは小さなことかもしれませんが、ちょっとした幸せを感じられる場面を増やせる商品を開発することが、お客様の笑顔につながると考えています。
幸せな団らんを守る責任
タイガーのビジョンに「世界中に幸せな団らんを広める。」というものがありますが、お湯を扱う製品を開発している私としては「幸せな団らんを守る」という側面もあるかなと思っています。
乳幼児の火傷事故のニュースに触れるたび、私たちはメーカーとしての責任の重さを痛感します。お湯はご家庭の中で当然のようにあるものですが、同時に扱い方を間違えると危険なものでもありますから。
暮らしを豊かにするはずの道具が、悲しい事故の原因になってはならない。タイガーにとって「安全性」は、機能以前の絶対条件です。万が一の転倒時でもお湯漏れを最小限に抑えるなど、徹底した安全設計を行うのは、お客様の何気ない幸せな団らんを、陰ながら守り続けたいと願っているからです。
もしもの時を想像して「タイガーでよかった」と感じてほしい

「安心・安全」は、お湯を扱う製品において大前提ですが、日常の中では、その機能の重要性は伝わりにくいかもしれません。しかし、万が一の瞬間こそがメーカーとして真価を問われる時ではないでしょうか。予期せぬアクシデントに遭遇した時、「タイガーの製品でよかった」と感じていただけるような、確かな安全性能を提供し続けることが使命だと思っています。
また、幸せな団らんの時間に少しでも長く寄り添っていけるよう、耐久性にも妥協はありません。日々の暮らしのパートナーとして、皆様に愛され、選ばれ続けるものづくりを、これからも目指していきます。

プロフィール
藤川 尚輝/ふじかわ なおき
タイガー魔法瓶株式会社 商品開発グループ 開発第2チーム マネージャー
電気ケトルと電気ポットの開発を担当。電気ケトル愛は社内No.1。