実は昔、コワモテでした。ロゴ変遷で辿る、タイガーの「強さと愛」の話

こんにちは。「タイガー温もり便」編集部です。
寒い朝、キッチンで相棒の電気ケトルにお水を入れてスイッチを押す瞬間が、私のささやかな「やる気スイッチ」ONの儀式なんですが…。ふと、電気ケトルの側面にある「あのマーク」と目が合ったんです。 そう、つぶらな瞳のトラのマーク。
「今日も頼むよ〜」なんて心の中で話しかけていたのですが、先日、社内の書庫で分厚い社史を読んでいて衝撃を受けました。 今日は、そんなタイガーロゴの「意外な過去」について、こっそりお話しさせてください。
目次
衝撃!創業者のこだわりは「ヒゲの1本」まで
私たちにとってお馴染みの、今のタイガーのロゴマーク。優しそうで、なんなら頭を撫でたくなるような愛らしさがありますよね。
でも、創業当時(大正時代)の初代ロゴをご覧ください。

…イカつい!? 「がおー」なんて可愛い鳴き声じゃ済まされない、ジャングルで出会ったら確実にアウトな気迫。
実はこれ、実際に相当な気迫で制作されたロゴなのです。資料によると、創業者の菊池武範は「できるだけリアルに描き、ヒゲの1本にも注意が払われた」のだとか。 今のロゴが「休日の優しいパパ」だとしたら、初代は完全に「戦場を生き抜く武士」。 なぜそこまで「強そう」にする必要があったのでしょうか?
「割れやすい」からこそ「最強の動物」を
時計の針を100年前に戻しましょう。 初期の魔法瓶は「ガラス製」でできており、その壊れやすいイメージを打ち消すため、強い動物の名前を銘柄に使う例が多かったようです。
「せっかくの魔法瓶が割れてしまった」 そんな悲しい声を聞きたくない。だからこそ、タイガーも”大地の王者”虎に、千里を走る強さと長持ちするという商品の強みを訴えるため、 あのコワモテな虎のマークが採用されました。強烈な覚悟が込められていたんですね。
そもそも創業者である菊池武範が「虎(タイガー)」を商標に選んだのは、次の理由から。
トラはアジア特産で強い動物として知られていたこと。
亡き御父上の恩を忘れぬため、誕生年の安政元年(1854)の寅年にちなんだこと。
その後、虎印魔法瓶の販売がすすむにつれ、「すぐ壊れる」「すぐさびる」という魔法瓶に対する世間一般の見方は、少しずつ変わっていったようです。




昭和51年(1976)
「強さ」から「親しみ」へ。涙のイメチェン秘話
魔法瓶が一般家庭にも広く普及し、女性がメインのお客様になるとある問題が発生します。 「あのリアルな虎のマーク、ちょっと怖くない?」 という声が聞こえるようになったのです。
調査の結果、「強さを表すための虎マークは、女性に好まれない」という事実が判明(泣)。 すでに品質は安定し、わざわざ強面でアピールする必要はなくなっていたんですね。
そこからロゴの変更が検討され始めたのですが、社内では「創業者が手塩にかけて完成させたマークを変えるなんて!」と惜しむ声も多く、大変な議論になったそうです。
それでも。「これからは、お客様の暮らしにもっと寄り添いたい」 そんな想いで、断腸の思いでリニューアルを決断。1983年の創立60周年を機に、今の親しみやすいフェイスへと生まれ変わったのです。


あなたのお家のタイガーはどんな顔?
今の可愛らしいマークの中にも、実は「かつて強さを証明するために、あえて怖い顔をしていた時代」のDNAが隠されています。
寒い冬、水筒に入れたコーヒーが夕方まで温かいこと。 炊飯器で炊いたごはんが、ふっくらおいしいこと。
そんな当たり前の幸せを守るために、あのトラちゃんは今日もみなさんのキッチンで、ニコニコしながら、心には創業者の魂を宿して頑張っています。
今日、お家に帰ったら、ぜひキッチンのタイガー製品を見てみてください。 「きみのご先祖様、実はヒゲ1本までこだわった超コワモテだったんだよね」 なんて思いながら見ると、いつもの家電がちょっと愛おしく見えるかもしれませんよ。
それでは、今日も温かいごはんを食べて、良い一日をお過ごしください!

プロフィール
タイガー温もり便 編集部
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