炊飯器かんたんレシピ

植松良枝さんの団らん健康レシピ鯛そぼろと玉子のちらし寿司

団らん健康レシピ

植松良枝さん

少しずつ陽が長くなり、暖かくなってきました。
春の日差しに嬉しくなるものの、季節の変わり目は体調を崩しがちです。おいしいごはんを食べて、元気に新年度を迎えましょう。
「団らん健康レシピ」では、身体に優しく、パワーを与えてくれて、子供から大人まで楽しめるメニューを紹介します。

メニューを考えてくれたのは、料理研究家の植松良枝さん。
料理を楽しみながら自家菜園も手がけ、季節の移り変わりを大切に暮らしています。1児の母であり、家族の身体を大切に考えたメニューもたくさん。春らしい食材を使いながら、家族みんなで楽しむお料理を教えてもらいました。

1回目は鯛そぼろと玉子のちらし寿司です。

「飯台(はんだい)に酢飯と具材を重ねてつくります。これがあるだけで食卓がぱっと華やかになるメニュー。
春らしく、旬の鯛を使ってそぼろを作り、錦糸卵を敷き詰めたら、彩りとして菜の花や三つ葉、桜の塩漬けを散らすだけ。

ちらし寿司というと、五目ずしが一般的で具材の準備が大変という印象もあるかと思います。でも、そこまで頑張らなくても旬の食材を使えば、十分おいしい一品になります。
今回のちらし寿司も、彩りがなければ、それはそれでいいのです。一面が卵の黄色で覆われている状態もすごくきれいですよ。五目にこだわる必要はないんです。

私は、季節によって具材を変えて作ります。
鯛の代わりに鯖や鶏でそぼろを作ってもいいですし、牛肉のしぐれ煮にしてもおいしいです。きゅうりの塩もみや菊の花を彩りにすることも。少ない具材でもできて家族みんなで楽しめるのが、ちらし寿司のいいところです」

酢飯に味付けした具材があればでよし、という心強いメニューです。
鯛そぼろは、多めに作っておくと、ご飯のおともとしてはもちろん、卵焼きに混ぜたり、茹でた青菜と和えたりと、いろいろ使えて便利。
また、人が集まる時には、あらかじめ作っておけば余裕を持って他の料理に時間を使えるので慌てずにすみます。五目という概念を頭から追い出して、ちらし寿司を気軽に楽しんでください。

ちらし寿司

4~6人分

〈材料名〉

  • 鯛切り身 3切れ(約400g)
  • 米 3合
  • 昆布 5×5cm 1枚
  • 酒 大さじ1
  • A:米酢 大さじ6
  • A:砂糖 大さじ3
  • A:塩 大さじ1
  • B:酒 大さじ6
  • B:みりん 大さじ4
  • B:薄口醤油 大さじ2
  • B:塩 少々
  • B:しょうがの絞り汁 小さじ2
  • 白炒りごま 大さじ2
  • 溶き卵 4個分
  • 片栗粉 大さじ1/2
  • 塩 少々
  • 菜の花の花の部分 12本分(長さを3等分に切り、花の部分のみ使用)
  • 三つ葉 1束
  • 桜の花の塩漬け 適量

作り方

1.といだ米を炊飯器の内釜に入れ、酒を加えて昆布をのせる。
3合の目盛りに水加減して炊く。炊きあがったら飯台またはボウルに移し、切るように手早くほぐす。炊きたて熱々のうちに、よく混ぜ合わせたAをまわしかけ、切るように混ぜ合わせる。

2.鍋に湯をわかし、塩少々(分量外)を加え、菜の花の花の部分を15秒ほどゆでる。
水にとって冷まし、水気を絞る。同じ湯で鯛の切り身を2~3分ゆで、火が通ったらひきあげて粗熱をとる。

3.2の鯛の皮と骨を取り除いて、手で粗くほぐす。(鯛の小骨は指先を使って注意深く探し、すべて取り除く)
桜の花の塩漬けはさっと洗って塩を落とす。適量の水に5~10分ほどつけて塩抜きし、水気を絞ってほぐしておく。三つ葉は食べやすい大きさに切る。

4.3の鯛を鍋に入れ、Bの材料を加える。
中火で熱し、数本の箸をもって鍋底をぐるぐると混ぜる。汁気が飛び、鯛の身がそぼろ状に細かくなってふんわりするまで7~8分炒り煮する。
白ごまを加えて混ぜ、そのまま粗熱をとる。

5.錦糸卵を作る。
溶き卵に、大さじ1の水(分量外)で溶いた片栗粉と塩を加え、均一になるまでよく混ぜ合わせる。よく熱した直径約26センチのフライパンに薄くサラダ油をひき、おたま一杯ずつ(約80~ 90ml)卵液を広げてクレープ状に焼く。
4枚焼き、1枚ずつ横4等分に切って重ね、線切りにする。

6.酢飯を飯台(または大皿)に平らに広げ、4の鯛そぼろをのせる。
さらにその上に錦糸卵をふんわりと広げる。(酢飯、そぼろ、卵とを小さくしながら盛り付けていくときれい)三つ葉と菜の花、桜の花を散らす。


さあ、召し上がれ

こぼれ話を少し
– 家でも外でも活躍する飯台 –

飯台(飯切)は、秋田の「柴田慶信商店」のものを愛用しています。今回のようにちらし寿司はもちろん、夏には冷やしうどんや冷や麦を入れたり、秋には炊き込みご飯を盛りつけたりと、季節を問わず使っています。おにぎりとおかずを詰め合わせ、クロスで包んでそのままピクニックに持っていくことも。一つあるとすごく便利な道具です。

料理:植松良枝 写真:枦木功 文:晴山香織





植松良枝
(うえまつよしえ)

料理研究家。料理教室を主宰しながら、雑誌や書籍でのレシピの提案を手がける。代々木上原にあるベトナム料理店「ヨヨナム」など、企業やレストランのプロデュースやメニュー開発も手掛けている。自家菜園で野菜やハーブを育てながら、旬の食材のおいしさを伝える姿勢にファンが多い。