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【第二回】家電が壊れる前に診てもらう?リフレッシュメンテナンスとは?長く使えるお手入れのコツをタイガーの修理管轄部門のプロが紹介!

タイガー魔法瓶では、炊飯器の「リフレッシュメンテナンス」というサービスを不定期で行っております。今回はそのリフレッシュメンテナンスについて、タイガー魔法瓶CS(カスタマーサービス)推進室の2人の社員に話を聞きました。お客様がご自宅でできる「製品を長く使うためのお手入れのコツ」もご紹介いたします。

本日お話を伺うのは

タイガー魔法瓶
CS推進室/Tさん
開発担当としてキャリアを積んだ後、パーツセンターで製品の部品に関する業務に携わる。現在のCS(カスタマーサービス)推進室には2020年の立ち上げ時から所属。タイガー製品をご購入いただいたお客様に最も近いところにいる部門として、お客様の声をお客様目線で理解するように心がけている。

タイガー魔法瓶
CS推進室/Nさん
2015年入社時から、品質管理チームにて炊飯器の新製品評価に携わる。2023年よりCS推進室に異動。日々アンテナを張り、お客様相談室や修理部門から集めた情報を開発など関連部門へフィードバックし、製品や修理方法の改善といった次のステップへと活かすことを意識している。

Q1.タイガーで不定期に実施している「リフレッシュメンテナンス」とはどのようなサービスですか?

CS推進室/Tさん:当社は2019年より「補修用性能部品の10年保有」を行っており、製造終了後も業界水準より長く部品を保有することで万が一故障した場合でも修理を行い、引き続き製品をお使いいただけるようなアフターサービス体制をとっております。(※) 例えば 炊飯器ですと、長年使っていくうちに、内なべや内ぶたの加工はがれ、パッキンがへたってくることがありますが、そういった場合にも、製品の買い替えではなく、修理や部品交換をお選びいただけます。その10年保有を活かした次のサービスとしてスタートしたのが「リフレッシュメンテナンス」です。「壊れてから修理」ではなく「壊れる前にメンテナンス」をすることで、お客様に愛着ある製品を長く使い続けて欲しいという想いから実現しました。お使いの炊飯器を当社でお預かりして、炊飯器の内部の確認や、動作チェック、本体のクリーニングを基本料金の中で行っています。

※ 材料調達や設備状況等によっては10年未満で供給できなくなる場合があります。

※ 10年間保有しない補修用部品も一部あります。

CS推進室/Nさん:実は炊飯器って使い続けているうちに、中にほこりが溜まることがあるんです。そういったお客様がご自身ではお掃除が難しいところも内部もクリーニングします。また、修理部門のプロが本体を見たうえで、変えた方がいい部品があればご提案してお見積りをお送りすることもあります。電気製品では一つの部品が壊れると、派生して他の部品も壊れてしまうことがあるので、故障する前にその部品だけ取り換えることで、必要最小限の手当てで長く使っていただけるんです。

CS推進室/Tさん

2021年に土鍋炊飯器でスタートし、不定期ですがこれまでに3度行ってきました。いずれも弊社の方で発売から数年経っている商品を指定して、過去に部品をご購入いただいた方にメールでご案内をお送りしておりました。どれくらいお申込みが来るのか、というテスト的な意味合いもあり、まずは部品のご購入者の方のみへのご案内でしたが、「新品のようにきれいになって戻ってきたので嬉しかった。」「思い入れのある商品なので、買い替えしないでメンテナンスをして使い続けたい。」といった嬉しいお声もいただき、今後は広く告知を行っていきたく検討しております。

様々な部署と連携し、一から立ち上げた企画ですが、お客様の嬉しいお声はやはり励みになり、当時苦労して立ち上げて良かったなと思っています。

Q2.本体のクリーニングとは、具体的にどのようなものですか?

CS推進室/Nさん

炊飯器の内部には外からのほこりや、ごはん粒が入ってしまうこともあるので、本体底の排気孔・吸気もチェックしています。IH炊飯器は電子部品の冷却のためファンモーターを備えておりますので、内部まで分解し部品に付着していたほこりも取り除いています。 また、内ぶたに汚れが付着していると、蒸気がもれるなど炊飯・保温性能が低下することがあるので、汚れを除去することで、本来の性能を取り戻すことができます。クリーニングや動作チェックが済んだら、完了報告書と一緒に製品をご返却します。

・本体底面の吸気孔内のほこりを除去

・内ぶたの汚れ除去

Q3.綺麗になるとスッキリしますね!併せて、お客様がご自宅でできる「製品を長く使うためのお手入れのコツ」があればぜひ教えてください!

CS推進室/Nさん

直近では、交換したい部品をご購入いただき、お客様ご自身でメンテナンスを行っていただく、セルフメンテナンスも実施しました。セルフメンテナンスをお申込みいただくと、お手入れ方法をまとめたメンテナンス説明書を部品に同梱しお届けするサービスです。今回はその中から一部をご紹介したいと思います!

日々のお手入れで、内なべ・内ぶた・スチームキャップは毎日洗っていただいているかと思いますが、以下の場所も定期的にチェックしていただけると、より長くおいしいごはんを炊飯していただけます

本体の内側
本体が汚れていたり、ごはんつぶなどがついているとふたが閉まらなくなったり、ごはんが上手く炊けなかったりする原因になります。ぬるま湯や水でぬらしてかたくしぼった布でふきとってください。※本体をお手入れする際は、故障の原因となるため、内部に水が入らないように注意。

●ストッパー部分
ごはんつぶが付着していると、
ふたが閉まりにくいなどの原因になります。

●放熱板
汚れていると、内ぶたに熱が伝わりにくくなり、
内ぶたのつゆが増える原因になります。

●上枠・フック部
ごはんつぶなどがあると、
ふたが閉まりにくいなどの原因になります。
●センターセンサー
汚れやごはんつぶが付着しているとセンサーが
温度を正しく検知で傷、上手く炊けない原因になります。


本体の外側(本体底部の吸気孔・排気孔)
ほこりなどが付着し、孔をふさいでしまうと、本体内部の温度が上がり、故障の原因となります。

1.本体から内なべを取り出し、ふたを閉める。
2.本体の側面を下にして倒す。
※本体に傷がつかないように、柔らかい布の上などで倒してくださいね。
3.綿棒や乾いた布でほこりを取り除く。
※本体の中にほこりが入らないように注意!
※ほこりが多く付着している場合は、掃除機などで吸い取ってください。

Q4.お手入れのコツを実践して、おいしいごはんを長く味わいたいですね。

改めて普段のお仕事について教えてください。

CS推進室/Tさん

CS推進室という部署は2020年に新設されました。お客様相談室やパーツセンター、修理部門とも連携しながら、アフターサービスに関する企画推進のためにできた部署です。例えば、「リフレッシュメンテナンス」の企画や、「部品10年保有」ではどの部品を補修用性能部品に指定するかなどを決定し、実行していきます。

日頃の業務でいうと、修理の手順書を修理部門に発信するのも重要な役割です。製品の分解方法や、こういうエラーのときはこういった所を見るといい、この部品を交換してくださいといった手順をまとめて、修理部門に発信していきます。

補修用部品の10年保有に関してもより多くのお客様に知っていただけるよう、ホームページや総合カタログに掲載するだけでなく、修理した製品をお送りする箱や、パーツ購入時の箱に「10年保有」のシールを貼っております。それを見て、またタイガー製品を利用したいなと思ってもらえれば有難いですね。

CS推進室/Nさん

修理の手順に関してどの部品が原因かは特定するのは難しい部分もありますが、過去のデータや製品仕様を元に特定して、手順書を作成していきます。エラーが出ていれば、エラーコードによって、不具合が発生している可能性のある箇所を手順書に落とし込みます。例えば、炊飯器のファンが動くべきときに止まっているようなエラーでは、ファンの故障だけでなく、ほこりがたまっている、何かが詰まっている、ビニールなどでふさがれている、ことなども考えられます。やはり、こまめなお手入れが製品を長く使ううえでも大切ですね。

私は元々、炊飯器の品質管理担当だったので、異動したての頃は、「電気ケトルはどうやって分解するんだろう…」という所からのスタートでした。実際に製品を分解したり、よく修理でお問い合わせが来る項目も自分でデータを見つけたりして、それに対してどのような対策をしているかを周囲に聞いて理解していきました。

Q5.最後に読者へのメッセージをお願いいたします!

CS推進室/Tさん::今回の「リフレッシュメンテナンス」や「補修用性能部品の10年保有」に関して、より多くの方に知っていただき、利用していただけるように取り組んでまいります。この取り組みに賛同いただき、タイガーファンとなっていただければ幸いです。

CS推進室/Nさん:修理サービスはお客様のお申し出があったときに受けるものがメインではありますが、「リフレッシュメンテナンス」のようなタイガー発信の提案型のサービスも行い、お客様に製品により愛着を持ち、満足していただけるように頑張っていきたいです。