業界初の「蒸す」「つく」が一体となった餅つき機です。スチームで蒸す機能は特許を取得。

1960年代まで、「炊いたご飯を保温するもの」といえば家庭用ではガラスジャーが一般的でした。ただ、ガラスでは保温力に限界があり、40℃付近にまで温度が低下すると「においがつく」あるいは「腐ってしまう」という問題を抱えていました。

この問題をクリアしたのが、1970（昭和45）年9月発売の当社初の本格的な電気製品「電気ジャー＜炊きたて＞EL型」です。電気を使った製品を開発するにあたり、当社は1965年から大卒の電気技術者の採用を開始し、さまざまな角度からの研究・実験を行っていました。その努力が、最初の実りを迎えたのです。

しかし市場では、すでに電気回路ではなく電子回路を、つまり半導体を組み込んだ電子ジャーが登場していました。半導体を組み込んだ製品の研究を進めていた当社ではありますが、結果として他社から遅れをとった形となります。

電子ジャーの開発が急務であった当社は、当時から半導体における豊富な実績を有していた松下電器産業株式会社（現・パナソニック株式会社）から半導体部品の供給を受けることを決定します。

柱となる技術は半導体を使った電子回路としての加熱機構ですが、それと同等の重要な役割を果たしたのが、当社がガラスジャーのトップメーカーとして長年培ってきた保温断熱技術でした。業界初の発泡硬質ウレタンでガラス瓶を包む保温水筒、硬質ウレタンフォーム断熱構造のステンレスジャーなどで得たノウハウをもとにヒーター方式の加熱保温機構を開発し、先に発売されたELにも搭載していたのです。

これに半導体によるきめ細やかな加温と保温の機能を加えることで、長時間にわたって“炊きたて”のご飯のおいしさが保てるようになったのが、1971年6月に発売された当社初の電子ジャー「電子ジャー＜炊きたて＞ELC型」です。ELの発売からわずか9カ月後のことでした。松下電器産業株式会社の協力を得て、先行して電子ジャーを開発・販売していた他社から大きく水をあけられる事態を免れたのです。

食卓に彩りを添える、奥さま好みの花柄など６柄をラインアップ

当社初の電子ジャーであるELC型において、もう1つのトピックとなるのが「モニター制度」です。

1950年代半ばから1970年代初頭にかけての高度成長期、人びとの生活には豊かさがもたらされ、ライフスタイルの多様化が進みました。当社は多様化したライフスタイルに合わせて変化する消費者ニーズを正確に把握して企画・開発・広告・販売を戦略的に展開するため、その第一歩として1971年8月にモニター制度を立ち上げます。対象商品として最初に選ばれたのが、ELC型でした。

主要全国紙にモニター1,000人を募る広告を掲載すると、全国各地からなんと27万人もの応募がありました。選出したモニターの方にELC型をお送りするとともに、その使用状況についての詳細な報告を依頼します。調査票には工夫をこらし、モニターの方の家庭の食事の実態だけでなく、自宅の間取り、インテリア、ライフスタイルなどにもご回答いただき、その内容について科学的な分析を行ったのです。

分析結果は、モニター制度において最重要となる次の商品企画のための貴重な資料となりました。また、当時はモニターを募集する広告自体が珍しかったため、ELC型の認知度が急激に高まり、販売台数の伸びにもつながりました。

このようなモニターを使ったマーケティングは、業界はもとより、全国でも当社が初めて導入したものと言われています。ライフスタイルの多様化が進む中、消費者ニーズを正確に把握する必要性を当社はいち早く察知し、行動に移したのでした。

発売は他社から遅れをとったものの、その差を一挙に飲み込むように、ELCは販売台数を伸ばし続け、発売から6カ月で累計100万台を突破します。

当社はEL型、ELC型の後継として、1972年5月に「電子ジャー＜炊きたて＞D型」「電子ジャー＜炊きたて＞DFC型」を発売します。

特にDFC型は、スミフロン加工（フッ素加工）とコードリール式を採用した商品として、大ヒットを記録しました。スミフロン加工に伴い飯器の内側がグレーになることから、試作品の段階では「ご飯がまずく見える」という声があがっていましたが、こびりつかないことを社長夫人である菊池陽子が大変気に入り、商品化への後押しとなったというエピソードも。

一連の電気ジャー・電子ジャーは、「炊きたて」という感性に訴えるネーミング、テレビ・ラジオCMでの「♪タイガー電子ジャー＜炊きたて＞♪」といったフレーズやメロディなど、現在につながる広告戦略の起点となった商品でもあります。

その後、1974年の炊飯ジャー第1号「炊飯ジャー＜炊きたて・ダブル＞CR型」、1976年の調圧炊飯ジャー第1号「炊飯電子ジャー＜炊きたて＞JCA型」、1980年のタイマーつき炊飯ジャー第1号「炊飯電子ジャー＜炊きたて＞JCL型」と、この時代はとにかく新しい機能、それもそのまま商品のコンセプトとなる重要な機能が初めて搭載された「第1号」が数多く誕生しました。

商品の高性能化・多機能化が進むにつれ、新しいコンセプトを考えること、具現化することはますます難しくなります。それでもその困難への挑戦の継続が、企業としての発展につながることを、私たちは決して忘れません。

時代は電子ジャーから炊飯ジャーへ。保温技術が高く評価されていた当社ですが、当時は炊飯技術が皆無。炊飯技術、重要部品の供給をそれぞれ家電メーカーから得ることで発売にたどり着きます。採算は厳しいものでしたが、トップの判断は事業続行。徹底的に技術を培うとともに、特長ある機能の開発に乗り出しました。このときの“負けてたまるか”の精神が、後の「炊飯電子ジャー＜炊きたて＞JCA型」の成功につながります。

業界初、転倒時の漏れを防ぐ「止水ボール」採用。使い勝手と安全性を両立しました。

グリーンとホワイトのカラーリング、星マークが印象的な大型保温・保冷ジャグタンクです。

当社のカセットコンロ第1号。「東京金物グランドフェア会頭賞」の栄誉にあずかりました。三重安全装置つき。

1970年代の初め、当社は魔法瓶と電子ジャーを中心にした市場展開をしていました。「電子ジャー炊きたてELC型」、「マインポット〈フリー回転〉NM型」などのヒット商品に恵まれていましたが、さらなる飛躍を目指し、家庭用品・調理器具の多角化と充実を図る段階でもあったのです。

開拓先として候補となったのが、ホーロー製品、カセットコンロ、ホットプレートなどの当社の企業イメージに合った新しいジャンルの製品でした。これらはいずれも開発・商品化されることになりますが、中でも苦労をしたのがホーロー製品（主に鍋）です。

当時、調理鍋の材質といえばアルミニウムが主流でした。ホーロー鍋は空焚きや衝撃への弱さから、ステンレス鍋は加熱コントロールの難しさや焦げ付きの多さから敬遠される傾向があったのです。

しかし、当社としてはすでに主流となっているアルミニウム鍋に新たな付加価値を乗せて開発・販売することに可能性を見出せずにいました。

そこで、当時カラフルな絵柄で彩られ贈答品として人気があったホーロー鍋を、弱点を克服しつつより身近な調理器具として開発し、売り出そうと考えたのです。

オリエントシリーズ

マリモシリーズ

開発担当であった松下義平は、当時をこう振り返ります。「その頃の我が社は、ホーロー製品に関する知識・技術をまったく持ち合わせていませんでした。そのため、ホーローのJIS規格改正に参画し、そこで得た経験を活かしてこれまでにないものを開発することになりました」

このようにしてホーローに関する基本的な知識・技術を得た上で、本格的な開発を日本フリット株式会社（現・タカラスタンダード株式会社）と協力して進めていくことになりました。

ここで当社は、ホーローの調理器具として重要な性能である耐ヒートショック性、耐食性、耐衝撃性において業界No.1をクリアするという高い目標を掲げます。ゼロからの挑戦であることを言い訳にせず、品質、性能を作り込んでいったのです。

ホーローは、鉄やアルミニウムなどの金属の表面に、釉薬を高温で焼き付けることで強固に密着させたものです。この釉薬を焼き付ける工程のことを「焼成」と呼び、「下釉焼成」「上釉焼成」「絵付け焼成」と3段階の焼成が行われます。

社内で試験を繰り返すうちに分かってきたのは、当社が掲げた目標基準を達成するためには、一般のホーロー製品よりも約30℃高い温度で焼成する必要があるということでした。

そこで、1回目の「下釉焼成」では炉の温度を870℃に設定します。下釉にはコバルトやマンガンが配合されており、これが鉄との合金を成し密着性が向上します。870℃という温度は、ホーローの焼成温度としては上限ギリギリでしたが、この高温が目標を達成するために欠かせないポイントでした。

2回目の「上釉焼成」では炉の温度が850℃になります。上釉は下釉よりも膨張係数を大きく設定するため、やや低温にする必要がありました。そして3回目の「絵付け焼成」では、上釉が動かないように820℃に設定。顔料とガラスの粉末を転写紙に印刷したものを貼り付けた上で焼成します。

ご想像の通り、製造工場内は非常に暑く、噴き出した汗がすぐに乾き、腕が塩をまぶしたように真っ白になるほどでした。

JIS規格改正に携わることで得られた貴重な経験、日本フリット株式会社が有していたホーロー技術によって、完成したホーロー製品は当初の目標であった耐ヒートショック性、耐食性、耐衝撃性において業界No1をほぼクリアすることができました。このようにして「モンセーブル」と名付けられたシリーズが誕生し、1974年10月に片手鍋NEA型と両手鍋NEB型を、翌1975年にはリニューアルした両手鍋NED型とケトルNEK型をそれぞれ発売します。

両手鍋、片手鍋のほかにケトルも

「私はモンセーブルの命名時に立ち会えなかったのですが、フランス語で『私の』を意味する“モン（mon）”と、フランスを代表する芸術的な陶磁器“セーブル（sèvres）”とを組み合わせた商品名だと聞いています」と松下は当時の記憶を辿ります。

モンセーブルは深型・高級陶器の良さを活かした美しい硬質ホーロー製品として好調な売れ行きを見せましたが、その後ホーロー製品の安売り競争が始まり、やむなく販売を中止。低価格に対応するホーロー製品として1983年から「フラベニュー」シリーズを発売し、野バラとコスモスの2パターンでエレガンスライフを提案しました。

この頃、当社はホーロー製品以外にいくつもの新しいジャンルを開拓し、さまざまな商品を世に送り出しています。1970年代前半は、家庭用品・調理器具の多角化に向け、当社が走り出した時代と言えるでしょう。

当時のチラシ

当時のチラシ

当時のチラシ

当時のチラシ

当社の調圧炊飯ジャー第1号。かまどで炊くご飯のおいしさの秘訣を探り、「釜ふたの重さ」を独自の調圧機能で再現しました。

1969（昭和44）年、多角化商品の第1弾として発売された商品の1つに、当社の氷削り器第1号である「家庭用氷削り器＜ベビーアイス＞A-1型」がありました。上からハンドル、氷ケース、台座で構成された無駄のないデザインです。

その後、AP-1、AP-2と2つの後継商品を挟み、1976年に発売されたのが「ベビーアイス＜きょろちゃん＞ABB型」です。立ち上がったクマを模したデザインで、頭頂部のやや後方に氷ケースが埋め込まれ、その蓋にハンドルがついています。ハンドルを回し氷を削ると目がきょろきょろと左右に動く仕組みで、カラーはレッド・イエロー・ブルーの3色展開としました。

目をあしらったデザインが楽しいチラシ

しかし発売後、「かわいくない」という評価をお客様からいただくことに……。そこでデザインを改良し、2年後の1978年に「ベビーアイス＜きょろちゃん＞ABF型」を発売します。最大の変更点は、きょろちゃんにキャップ型の帽子を被らせたことです。これにより氷ケースとハンドルを頭頂部に垂直に設置することが可能になり、操作性が向上しました。また手足を一体化させて台座とすることで、安定感も増しました。顔の輪郭をふっくらさせたり、まつ毛を短くしたり、黒目をひと回り小さくしたり、片側の口角を持ち上げたパターンにしたりと、細かなバランスを調整することによって、多くのお客様から「かわいい」というお声をいただくことができました。

また前後して1977年に「ベビーアイス＜きょろちゃんのビーバーちゃん＞ABC型」を、1981年には「氷削り器＜きょろきょろジェリー＞ABL型」を、それぞれ「きょろちゃんシリーズ」として発売しました。

使いやすさを伝える

きょろちゃんのビーバーちゃんも登場

苦戦を予想した企画会議は意外にも和やかな雰囲気に

当社初の復刻商品を、どのように生まれ変わらせるか

大ヒットを記録。MoMAのデザインストアでも販売される

復刻版きょろちゃんの生産は、中国の工場で行われました。「日をまたいでの成形トライや打ち合わせなど、中国現地の方々にはとことん付き合っていただき、今も感謝の気持ちでいっぱいです」と開発担当であった 小幡享史 （ おばたたかふみ ） は当時の仲間 に想いを馳せます。

販売店との商談は順調に進みました。当初の計画であった200店舗を大きく上回る500店舗に配荷することが決定します。そして2016（平成28）年3月、復刻版の「氷削り器（かき氷器）きょろちゃん ABF-F100型」が発売されました。カラーはモデルとしたABF-100型と同じオレンジ・イエロー・ブルーの3色展開です。特設サイトの開設、SNSでの情報発信なども功を奏し、復刻版きょろちゃんとして話題沸騰。予定出荷台数であった12,000台を夏本番前に達成しました。

復刻版きょろちゃんは、商標の関係で3年間の期間限定での販売となりました。ただ、違う形での新しいきょろちゃんも登場しています。カプセルトイ、いわゆる「ガチャガチャ」として、きょろちゃんのミニチュアフィギュアが当社監修で2021年、2022年に発売されました。

思わぬところからの反響もありました。目がきょろきょろ動く仕組み、デザインのかわいらしさ、日本の伝統が感じられる点が評価され、ニューヨーク近代美術館「MoMA」のデザインストアで販売されたのです。また、日本のかわいい商品として『ニューヨーク・タイムズ』でも紹介されました。

38年ぶりに生まれ変わったきょろちゃんは、国内で人気を博しただけでなく、海外でのTIGERの知名度アップにも貢献してくれました。

復刻版ではオシャレなイメージに

色味も忠実に再現した

色味も忠実に再現した

色味も忠実に再現した

それまでより太い中瓶を開発し、容量を維持しながら低く設計された“どっしり”とした外観のエアーポットです。急須やコップを手に持たず、テーブルに置いたまま湯を注ぐことができる低注水口により、利便性と安全性が向上しました。ユニークなネーミングと相まって、好調な売上を記録。自動加工製瓶機によって、安定した品質で大量生産を行いました。大阪デザインセンター選定商品。

アルミ製の内容器が一般的であった中で高級ステンレスを採用。初年度に30万本を売り上げました。

安全性を重視して開発された圧力鍋。異常な圧力が発生したときには、蓋のアームが変形し、本体とのあいだから蒸気が逃せる設計としています。最後の砦となるこの安全構造は、屋外でカセットコンロを用いて動作確認を行いました。さらには調理後の鍋の水道水による急冷、基準以上の量の食材を入れた状態での加熱といった過酷な条件下でも試験を実施。調理Book作成のために、ソフト開発専門チームは調理実験を繰り返しました。

ふたを回すと注ぎ口が現れるユニークな設計。かつて欧州を走ったオリエント急行に採用されました。

日本酸素株式会社からOEM供給を受けて発売。以降、内製化のための研究を急ピッチで進めました。

業界初、センターセンサーによるマイコン制御機能を搭載した炊飯ジャーです。

当社の電磁調理器第1号。以降、続々と後継機種を開発し、機能の充実と安全性の向上を実現します。

早炊き、熾火むらし機能を採用。炊飯量の判定技術、蒸らし技術をタイガー炊飯方式として確立しました。

スチームセンサーの搭載により、電子回路を用いずに自動沸騰ができるようになりました。

パーソナルな使用を想定して開発された高級ポット。温かい・冷たい飲み物を手軽に飲めます。

当社のベーカリー第1号。それまでパンといえば“買うもの”でしたが、1987年に各社からホームベーカリーが発売されたことで“自宅でも簡単につくれるもの”という新しい概念が提案され、ブームとなりました。タイマー機能、おいそぎ3時間コースも搭載されています。当社はOEM供給を受け市場参入しました。その後、市場からは撤退しましたが、27年後に自社開発のKBC-A100を発売することになりました。

当社のIH炊飯ジャー第1号。本物志向・高級志向のお客様のニーズにお応えするべく、IH＆インバータ制御の炊飯ジャーとして発売しました。4倍圧力炊き、白米炊き分け機能、光る操作キー、2層構造の遠赤厚釜を搭載。ワークコイルの設計、インバータ基板の検査機の作製、熱伝導を均一にするクラッド鍋のプレス、生産工程での1台ごとの電力調整、電波法関連の申請など、初めての取り組みには大変な苦労と試行錯誤が伴いました。

おかゆ鍋のマイコン搭載機種第1号。おかゆを食べる機会はそう多くないと思われることから、企画段階ではその点を危ぶむ声もありました。しかし、お米からだけでなくご飯からでもおかゆができること、離乳食もつくれることなどから予定販売台数を大幅に上回るヒット商品に。生産が追い付かず、本社工場だけでなく外注でも組立を行ったほどでした。土鍋風のユニークなデザインは、1991年発売の「電気おかゆ鍋（CFD）」から引き継がれています。

1979（昭和54）年、当社は電子レンジ第1号「オーブン電子レンジ＜クックエース＞KRA型」（OEM商品）を発売しました。当時20代、30代を迎えていた戦後世代をターゲットとして企画・開発された「Kシリーズ」のうちの1つです。家庭用品メーカーが初めて売り出したオーブン電子レンジでもあり、軽量かつコンパクトな設計と優れた操作性、デザイン性が高く評価されました。

その後、当社は生活用品の総合メーカーを目指して走り始めます。1980年代の電子レンジ業界では、オーブンレジンのような多機能タイプにおいて、重量センサーをはじめとする複数のセンサーが搭載され、フルオート化が進んでいました。一方で温め機能に特化した単機能タイプは、メーカー間の価格競争が激化。トースターレンジの低価格化も進む中、当社はこれを食い止め、存在感を示すべく、新しい付加機能・付加価値を探っていました。

当社のトースターレンジ第1号「マイコントースターレンジ＜トースタークックエース＞KRH型」が発売された1989（平成元）年頃から、トースターレンジ市場は高機能型商品へと移行します。これを受け当社がトースターレンジにおける新しい付加機能として掲げたのが、オーブンレンジのような調理のフルオート化と、オートメニューの充実でした。

その核となるのが、食品の重さを検知する重量センサーです。仕組みとしては、ターンテーブルの軸を板バネで受け、その変化量を重量へと変換する方式を採用しました。ターンテーブルが1回転するあいだの重量の平均値を割り出し、加熱機構に反映させるのです。

しかし社内試験では、加熱の影響による板バネの変化量が想定以上に安定感に欠く結果となりました。開発チームは、バネに使用するステンレスの材質などを選定しなおし、ソフトによるセンサーの補正を行うことで、これに対処します。

ところが、トーストの重量判定を試したときに思わぬ事態に直面します。軸の断面が丸く小さいためにターンテーブルとの摩擦が少なく、1回転した後も空回りしてしまったのです。この問題については、テーブルを回転させずに重量（枚数）を判定することのできる仕組みを開発して乗り切ります。

これに加えて温度センサーと湿度センサーを設置し、また「トースト」「解凍」「あたため」のスイッチも搭載しました。重量・温度・湿度、そして調理法に応じた、適切な加熱温度と加熱時間がワンタッチで自動設定できるようになったのです。

さらなる他社との差別化のため、当社は付加価値となるデザイン性を追求しました。それまでのレンジは、スイッチやつまみのある操作パネルとドアが本体前面を分割していました。開発チームは、スイッチを組み込んだドアで本体の前面すべてを覆うという革新的なデザインを提案します。反対する声も一部ありましたが、何度も議論を重ね、最終的には市場に与えるインパクトに期待してGOサインが出されました。

また、フルオートというコンセプトを強調するため、スイッチは丸型で大きく、中を覗ける窓は小さく設計してバランスを調整し、窓横には操作状態をデジタル表示する高輝度LEDを設置。完成したデザインは斬新で近未来的であり、時を経ても「古さ」というものはまったく感じさせません。

ドアという薄くスペースが限られたパーツにおいて、スイッチを均一に発光させることは大変な苦労でした。「半透明のスイッチの白濁の度合いを調整しながら、当時発売されたばかりの自動車用のハイマウント・ストップランプに内蔵された高輝度LEDを試してみると、きれいに光ってくれるようになりました」と、当時開発担当であった田中徹は振り返ります。

唯一無二のシックなデザイン

インテリアにもなじむ

「トースト」「解凍」「あたため」を含めた5つのフェイスタッチキーが搭載された全面ドア、統一感のある斬新なアートフォルム、そしてトースターレンジとしては初めて重量センサーを備えた「フェイスタッチレンジ（トースター機能つき）＜クックエース＞KRI型」を、1992年2月に発売しました。

近未来的な雰囲気を漂わせるデザイン、シンプルな操作性とフルオート化・充実したオートメニューは業界で注目の的となり、フェイスタッチレンジは好調な売上を記録します。

またその後、重量センサーの精度の向上、他社による特許取得の回避に取り組んだことで、フェイスタッチレンジ以降の商品展開もスムーズに進めることができました。革新的であった全面ドアのデザインは、後継機種の「フェイスタッチオーブンレンジ（トースター機能つき）KRK型」へと引き継がれ、電子レンジ事業の採算向上に寄与することとなります。

当社初の海外企業でのODM商品として、台湾企業の協力を得て開発・生産された4カップ対応のドリップ式コーヒーメーカー。とある結婚式場の引き出物として採用されることが決定した中、工程に遅れが生じ、量産開始に立ち会った担当者が帰国時に初回ロットの72台を持ち帰って間に合わせたというエピソードも。コーヒーメーカー事業においては、2023年現在も同社と共同で商品開発を行っています。

ミネラルウォーターを飲むことがスタンダードになる中、浄水器は低価格化が進んでいました。そこで、当社はよりタイガーらしさを出せる商品として、ポット型の整水器を発売。サンゴ石、麦飯石という2つの天然石（カートリッジとして交換可）から循環方式によってミネラルを溶出させ、家庭で手軽に、ペットボトルを買うよりも経済的にミネラルウォーターが飲めるようになりました。

当社の魔法瓶技術を活かしたステンレス製真空二重構造を搭載した、VE（真空＋電気保温方式）タイプの電気ポット。電気ポット開発チームと魔法瓶開発チームの協力により誕生しました。省エネが大きな訴求ポイントであった電気ポットにおいて、保温時の省エネ50％を達成します。「とく子さん」第1号商品。

料理に便利な深型、汁物を移しやすい注ぎ口、握りやすい取っ手を特長とするフライパンです。内側には金属ヘラ2万回使用に耐えるチタンフッ素コートが施してあります。卵焼き用を含めた6サイズ展開。当時のフライパン用としては珍しいオフセット印刷された箱に梱包し、「売り場で魅せる」ことにも注力します。外面のパステル調の黄色も目を引き、初年度は目標を超える販売数を達成しました。

自動で簡単、かつ短時間での調理が可能である電気圧力鍋は、1970年代から国内製品が一般に普及し始めました。

当社は長らく未開拓の領域でしたが、圧力鍋を製造・販売する日新ステンレス株式会社とのご縁に恵まれ、「温度コントロールのしやすい、IHを熱源とした、タイガーらしい電気圧力鍋を」という企画が生まれました。IHを熱源とする電気圧力鍋自体が当時まだ登場しておらず、当社にとっては「電気圧力鍋を、IHで」という2つの挑戦が重なる商品開発となりました。

「マイコン」と「多機能」のノウハウを融合させる電気圧力鍋は、圧力鍋と本体部分で構成されています。

開発担当はまず、正確な温度測定のため、温度センサーを鍋底に直接当たるよう本体中央部に設置します。本体にはセンサーのほかに操作部、IHコイルなどを内蔵。また圧力鍋は、蓋に設置された圧力ボールと安全弁によって、異常な圧力が発生したときには適切に逃せるようにしました。

基板は隆祥産業株式会社（現・株式会社レクザム）、本体部分を気高電機株式会社の協力を得てそれぞれ開発・製造しました。圧力鍋については日新ステンレスのマレーシア工場での製造となり、構造担当の 川村 光紀 （ みつのり ） が過密なスケジュールの中、耐久試験を自身の滞在先であるホテルで行ったというエピソードも。川村は気高電機での試作立ち会いのための出張だけでなく、SGマーク認証の手続き対応などにも追われ、ソフト担当の鶴田（旧姓：佐野）ちはるから見ても大忙しだったと振り返ります。

本製品の大きな特徴として、「豚角煮・五目豆・おでん・玄米・白米」という5つのオートメニューキーが搭載されている点が挙げられます。これにより、ボタンを押すだけで自動で加熱コントロールがなされます。またIHによる素早い立ち上がり・高温・高圧力が調理時間を大幅に短縮。豚の角煮、おでんといった煮込むほどおいしくなる料理が、30分ほどでできあがります。

見やすい操作パネル

さらにマニュアル機能も併せ持ち、「煮る・炊く・蒸す・ゆでる」の4つの調理法でさまざまな料理に対応します。付属の冊子には、「ビーフカレー」「ロールキャベツ」「肉じゃが」「ぶり大根」「茶碗蒸し」など約40種のレシピが掲載されました。

マイコンが自動で圧力をコントロールし、オート・マニュアルの多機能調理を可能としたシステムについては、大きな問題なくスムーズに開発が進みました。1981（昭和56）年発売のマイコン炊き第1号「マイコン炊飯ジャー＜炊きたて＞JSM型 」、1986年発売の多機能炊き第1号「マイコン炊飯ジャー＜多機能炊きたて＞JND型」から積み重ねてきたマイコンと多機能調理のノウハウがあったからこその成果だったのです。

また、食材を炒めて下ごしらえをすることを想定し、密封する蓋に加えてガラス蓋も付属品に。これにより、下ごしらえのとき、あるいは圧力調理後に、別の鍋やフライパンを用意する必要がなくなりました。トロ火機能まで搭載されていることから、加熱調理の最初から最後、そして保温までを、まさに「これ1台」で完了できるのです。

ガラス蓋付き

安全面にも十分な配慮がなされます。火を使わないことは大前提ですが、切り忘れ防止機能、なべ無し検知機能、さらに小物検知機能まで搭載しました。

「IH圧力調理なべ（CAA-A350）」が発売されたのは、2003（平成15）年の10月。通販・テレビショッピングの「ショップチャンネル」で紹介してもらうなどして拡販に努めたものの、売り上げ台数は思ったより伸びませんでした。食材を入れてあとはお任せ、という高機能によって映像としての変化が乏しかったこと、短時間調理という機能を視聴者が実感しにくかったことが要因になったのではないか、という反省があります。

同製品は、企画段階から著名な料理研究家の方にモニターとなっていただき、多機能調理器として実際に高い評価を得ていました。また、販売店での実演販売も好調でした。鶴田はこう振り返ります。「使った人や調理をじかに見た人には良さが分かるけれど、映像で見た・商品を見ただけの人には、良さが伝わりにくかったのかもしれません。その十数年後に各社から電気圧力鍋が発売されていることを考えると、CAA-A350の発売が早すぎた、ということもあるように思います」

しかし、うれしいニュースも飛び込んできました。2003年度の「グッドデザイン賞」をCAA-A350が受賞したのです。大きくしっかりした取っ手兼ロックによる安心感、高機能でありながら調理器具らしさのある素直なデザインが評価されてのことでした。デザインを担当した渡辺正弘は「従来に無い製品であることと、圧力なべを利用することを考慮して、安心感と信頼感を感じ取れるデザインであることに配慮しました」との受賞コメントを残しています。

トヨタ自動車株式会社（以下「トヨタ」）が世界初の量産型ハイブリッド自動車「トヨタ・プリウス」を世に送り出したのは、1997（平成9）年のことでした。翌年には国内のみで17,700台を売り上げ、「1997-1998年日本カー・オブ･ザ･イヤー」を受賞しています。

当時、トヨタは北米への販路拡大を見込み、新たな蓄熱システムを必要としていました。国内仕様のままでは、冬場などはエンジンがすぐに温まりません。何より、寒い季節の始動時にエンジン特性が低下することで、排ガスが多くなり北米の環境基準を満たせないという問題がありました。そこで、走行時に蓄えておいた温かい冷却水を、再始動時に効率よく供給してエンジンを適切な温度まで上昇させるシステムが求められていたのです。

新しい蓄熱システムの開発にあたり、トヨタにはいくつかの案がありました。その中で唯一北米の環境基準をクリアし得るのが、「魔法瓶技術」を応用した蓄熱システムでした。

そもそも北米は、輸入車の参入によって国内市場のバランスが崩れることに危機感を抱いていました。そのために環境基準が厳しく設定されていたことも、この魔法瓶技術が必要とされるきっかけになったと言えます。

魔法瓶技術を応用した蓄熱容器を開発・生産するメーカーとして候補となったのは、当社とX社でした。当社は当時業績が悪化していたこともあり、社を挙げて受注に向けての準備に取りかかりました。国内で普及し始めたばかりの革新的な会議システムを導入し、活発な議論を幾度となく繰り返します。両社のしのぎ合いは実に激しいものでしたが、最終的には車の振動を考慮した場合、当社の真空排気方法が適していると判断され、当社が選定されることになりました。

ここから、トヨタグループの自動車部品メーカーである株式会社デンソーと共同で、蓄熱容器の本格開発が始まります。

一般に、ラジエーターの冷却水（クーラント液）が冷えている状態でエンジンを始動させると、排ガスに非常に多くの不純物が含まれることになります。そのままエンジンを稼働し続けるとラジエーターの冷却水が温まり、排ガスは綺麗になります。

魔法瓶技術を応用した蓄熱容器は、走行時に温まった冷却水をため、保温しておくために、エンジンルーム内に設置するものです。始動直後などのようにエンジンが低温の状況を水温センサーが検知すると、容器内にためておいた温水を適時ラジエーターへと放出し、エンジンを温めます。これにより、再始動時でも排ガスが綺麗に保たれるのです。さらに、エンジンの始動と同時にデフロスターが温かい風をフロントガラスに送れること、暖機時間が短くなることから、燃費の向上ももたらされました。

蓄熱容器の量産開始前、品質確認のためにトヨタからある人物が生産先の工場に向かいました。“品質の神様”と呼ばれるその人物は、すべてのチェックを終えてから「県下で一番の品質です」と一言。これに当社社員は胸をなで下ろすとともに、協力会社に支えられて当社の今日があり、また明日からの未来が築かれていくのだと身震いする想いでした。

品質保証担当の木村邦一は、工場で見た印象深い光景を語ってくれます。

「“品質の神様”は、ある作業員にこう尋ねました。『あなたの作業の目的は何ですか？　あなたがミスをすれば、お客様にどんなご迷惑がかかりますか？』と。製品の品質は、現場、そして作業者一人ひとりがつくるものだということが、改めて身に沁みました」

株式会社デンソーと共同開発した蓄熱容器が搭載されたのは、二代目トヨタ・プリウスの2004年モデルです。「北米の厳しい環境基準をクリアした日本製のハイブリッドカー」ということも注目され、おおいに出荷台数を伸ばし、2004年北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。ハリウッドスターのレオナルド・ディカプリオさんが購入したことも、出荷台数増の後押しとなったそうです。当社はこの蓄熱容器によって、年間10億円の利益を上げました。

自動車、それもハイブリッドカーに魔法瓶の技術が“乗っている”ことは、一般のお客様があまり知るところではないかもしれません。しかし、この蓄熱容器が廃番になるまで、ロットアウト、市場クレームが一切発生しなかったことは、当社の誇りです。業界での当社への信頼はより確かなものとなり、後の宇宙開発関連事業への進出にもつながります。

プリウス

1980年代後半のIH炊飯器の登場から、ご飯の美味しさの追求はより高度化し、メーカー間の差別化競争が激化しました。国民1人当たりの年間の米消費量は減少の一途を辿り、当社の炊飯器事業は業界2位のシェアを確保する一方で、高価格帯で苦戦。2003（平成15）年頃からは他社から発売された圧力式炊飯器が台頭したこともあり、社内には危機感が募っていました。

魅力的な構想は、すでにイメージがありました。かつてどの家庭でも使われていた「かまど」で炊いたご飯の再現です。実際にかまどで炊いたご飯を試食した際には、粒の大きさ、艶、驚くほどの美味しさに社員から感動の声があがっていました。この感動を再現し、お客様に届けることが、当社の使命だと考えたのです。

国民1人当たりの年間の米消費量の推移

当時、デパートなどで炊飯用土鍋が売り出され、ブームになっていました。実際に購入し炊きあがったご飯を食べてみると、あの、かまどで炊いたときの感動が甦ったのです。土から作る土鍋と、樹脂や金属から成る炊飯器はまるで別物です。その時点では、土鍋をIH対応にできるのかどうかも分かりませんでした。しかしようやく見つけた「かまど炊きご飯の感動を炊飯器で再現できる可能性」を逃す手はありませんでした。

かまどで炊く醍醐味のひとつ「おこげ」

いざ、本格開発へ

土鍋と従来の内釜では温まり方が異なるため、これまで培ってきた技術や知識をそのまま活かすことができません。開発グループは、土鍋の特性に合わせた最適化に挑むこととなりました。

特に大きな課題となったのが、電磁誘導によって加熱するための発熱体、及びそれに応じたセンサー・ヒーター・IHコイルの設置方法です。まず、銀ベースの発熱体を内釜外周部の底面に取り付けました。その温度を正確に測定するためにセンサーを本体の底・側面・蓋・基板の4カ所に、内釜を温めるヒーターは本体側面に4段と蓋全面に、IHコイルは本体底・R部分にそれぞれに据え付けます。試行錯誤の末、このように発熱体・センサー・ヒーター・IHコイルを構成することで、ついに最適な加熱機能へと辿り着いたのです。

また、通常のIH炊飯器では、内釜が本体開口部の縁に引っかかる形で「吊られた」状態になっており、内釜の底と本体のあいだには空間があります。内釜が異常発熱したとき、本体側の樹脂が溶ける可能性があるためです。一方で、サイズの微妙な違いが起こりやすい土鍋を同じ構造にすると、内釜とIHコイルの距離を保つことができません。そのため、本体側の樹脂部にセラミックを採用して熱対策を行い、その上で本体底部に凸部を設けて内釜を接触させることで、IHコイルとの距離を一定に保ったのです。

開発には9トンもの米を使いました。さまざまな条件で美味しく炊ける「土鍋炊飯器」の完成に向け、当時は人海戦術に頼るほかなく、十数個の試作品を並べて実験が繰り返されました。

土鍋らしい風合いの内釜

ヒット戦略と全社決起集会

さらなる感動を付与した「おひつセット」

本製品には、内釜用の土鍋ふた、木曽ひのきのしゃもじ・しゃもじ受け、手織りの鍋敷き、つゆとり布が「おひつセット」として付属しています。土鍋釜を食卓に運んでおひつとして使ってもらうことを想定したのです。外箱を開けた瞬間に感じる「贈り物」の雰囲気も意識し、特徴やお手入れ方法について記載した「しおり」を温かみのある色の厚紙で作り、本体保護用の袋には不織布を採用しました。

こういった演出は、一般の主婦を集めて行われたグループインタビューでの「土鍋釜をそのままおひつとして使いたい」という声、ある料亭のご主人の「暖簾をくぐった瞬間のもてなしからが勝負だ」という言葉をヒントに考案しました。ご飯の美味しさだけでなく、箱を開けたとき、食卓を囲むときの「感動」も付与し、商品としての完成を迎えることとなります。

好評だった「おひつセット」

業績を牽引する存在へ

「五感に響きわたる、おいしさと上質感を。」をコンセプトとするGRAND X（グランエックス）シリーズの第二弾商品です。四日市萬古焼に熱伝導性を高める炭化ケイ素成分を配合した「プレミアム本土鍋・四度焼き」と、うちなべの上部の口絞り構造により熱対流を生み出す「遠赤特大土かまど」の二重発熱構造。お米をムラなく、ふっくらと炊きあげます。健康志向の高まりに応えるべく、2種類の大麦の特性に合わせた独自の炊飯プログラムも搭載。

「グルテンフリー」が注目を集める中、米粉100％の食パンを無添加でおいしく焼けるホームベーカリーとして誕生しました。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構と共同開発した技術は、後に「2017年農業技術10大ニュース」に入選。高火力で一気に焼きあげる「IHヒーター加熱」によって、中はもちもち、外はパリッとした薄皮に。うどん、ピザ生地、餅などのパン以外のメニューも楽しめます。

上からの「速熱カーボンヒーター」、下からの2本の「遠赤ヒーター」によって、食材の表面はまるで炭火で焼いたようなパリッとした食感に。そして目玉であるスチーム機能が、食材内側をしっとりジューシーに。さらに20種類のオートメニュー、30分のロングタイマー、10℃きざみの温度調節機能、トーストが同時に4枚焼けるワイド設計が料理の幅を広げてくれます。焼アミがスライドして出てくる「取りやすいん棚」を採用。

シャワー状のお湯でコーヒー粉を浸し、ヒーターで熱せられた蒸気が抽出されたコーヒーを押し出してカップに注ぐ当社独自の蒸気プレス式「Tiger Press」システムを開発・搭載したコーヒーメーカー。3段階の抽出温度、5段階の浸し時間が選べるため、コーヒー豆の種類、そのときの気分に合わせたオリジナルテイストが味わえます。フィルターにはコーヒー豆本来のおいしさと香りを引き出す「チタンコートメッシュフィルター」を採用。

北欧発祥のアスレジャー（アスレチック＋レジャー）がグローバルになり、大きなボトルを持ち歩くスタイルが人気を博す中、炭酸飲料にも対応する真空断熱ボトルとして誕生しました。内圧が異常に高くなったときに安全弁から炭酸ガスを逃す「Bubble Logic（炭酸ガス抜き機構）」を搭載し、開栓時の噴き出しを防止します。ボトル内面のスーパークリーンPlus加工は、においと汚れの付着・炭酸の気化を抑制。アルコール飲料にも使用できます。

2010年代中期に到来したIoT（Internet of Things = モノのインターネット）の時代に応えた業界初のIoT対応IHジャー炊飯器。同時にリリースされたアプリ「TIGER HOME」をダウンロードすれば、炊飯量からAIがお米の残量を予想し、少なくなったタイミングで知らせてくれる「お米便」、さらには「自動再注文」機能などを利用できます。メディアでも大々的に取り上げられ、他社もIoT対応の機種を発売するなど、業界内外に強いインパクトを与えました。