おいしいごはんの炊き方

<専門家が解説!>美味しいもち麦の炊き方

プチプチとした食感が楽しめるもち麦は、栄養価が高く健康にもいいと近年話題になっています。その効果に着目した炊飯器メーカーのタイガー魔法瓶は、いち早くジャー炊飯器に「麦めしメニュー」を搭載しました。もち麦をいつものご飯に混ぜていただくだけで、あなたの食生活がもっと豊かになります。もち麦とはどんな食材で、どう炊くと美味しくいただけるのかをチェックしていきましょう!

もち麦とは(基本情報)

もち麦は大麦の一種です。大麦は古くから栽培されている穀物で、長年日本でも食べられてきました。日本には弥生時代に中国から伝わり、特に農村部で主食となっていました。お米の収穫量が増えると大麦の作付けは減りましたが、お米と比べ食物繊維が多くミネラルなどの栄養が豊富な点に近年注目が集まり、健康や食生活に気を配っている人たちの間で評価が高まっています。 特にもち麦は水溶性食物繊維β-グルカンを多く含みます。食後の血糖値上昇をおだやかにしたり、悪玉コレステロールを正常にしたり、腸内環境を整えたりといった効果があります(出典:大麦食品推進協議会SR)。現代人に必要な効果だといえるでしょう。

もち麦とは

大麦には、お米と同じように「うるち性」の大麦と「もち性」の大麦があります。このうち、もち性の大麦を「もち麦」と呼んでいます(うるち性の大麦は「うるち麦」です)。大麦は食物繊維が豊富なことで知られていますが、実はうるち麦よりもち麦の方が多く含まれていると言われています(うるち麦でも食物繊維量が多い品種もあります)。

栄養成分

もち麦が注目されているのは、その栄養価の高さからです。もち麦は精白米の約25倍もの食物繊維を含み、なかでも多く含まれる水溶性食物繊維が腸内の環境を整えてくれるとされています。

大麦、押麦、もち麦との違い

大麦、押麦、もち麦 の違いはどこにあるのでしょう?
実は押麦ともち麦はいずれも大麦。押麦はうるち麦をローラーで押しつぶして平たく加工したものです。平たくすることで、お米と同じ時間で炊き上げることができます。

初めは1割から!もち麦ごはんの炊き方

もち麦のご飯を自宅で炊いてみたいという人も近年増えているのではないでしょうか。もち麦は炊飯器でお米と一緒に炊くことで食べやすくなります。もち麦に初めて挑戦する人は、まずもち麦1割から試してみることをおすすめします。1割でももち麦のもちもち、ふっくらとした食感を楽しめますよ。

炊き方の基本

もち麦の炊き方の基本を解説します。白米を洗米、水加減、もち麦を加える、もち麦分の水加減という順序が基本です。 洗米はまず、たっぷりの水でさっとかき混ぜ、すばやく水を捨てます。その後水の濁りが少なくなるまで、2?3回水を入れ替えてすすぎます。水加減は、内なべを水平に置き、お米を平らにならして行います。水加減をした白米の上に、計量したもち麦をのせ、もち麦分の水加減をし、炊飯器で炊飯をスタートします。 もち麦独特のにおいを抑えるプログラムを組んでいる炊飯器もあります。もし、においが気になる場合は、専用のメニューがある炊飯器を選ぶのがおすすめです。

もち麦ごはんの作り方(1)炊く

「もち麦ごはん」は、もち麦を白米に混ぜて炊飯器で炊いてつくります。白米を炊くときのいつもの水の量に、もち麦分の水も用意します。お米をとぎいつものように炊飯器の目盛りにあわせて水加減を調整し、もち麦ともち麦分の水を入れます。炊き上がったらしゃもじで全体が混ざるようにほぐします。 タイガーの炊飯器にはもち麦ごはん専用メニューがあります。白米1カップに対して付属の「麦めしカップ」1杯のもち麦を加えます。麦めしカップには1割用と3割用があります。もち麦を1割加えて2合で炊く場合は白米2カップをはかり、洗米し、内なべの「麦めし1割」の目盛り2まで水を加えます。もち麦を1割用の麦めしカップで2杯はかり、水加減した白米の上にのせてから「麦めしもち麦」メニューで炊飯します。

もち麦ごはんの作り方(2)ゆでる

もち麦はゆでて食べることもできます。スープやサラダなどの料理にぴったりです。まず、鍋にたっぷりと入れた水が沸騰したら、もち麦を入れます。もち麦は洗う必要はありません。中火で時々かき混ぜながら15分から20分間ゆでます。好みの硬さにゆであがったらザルに移してぬめりがなくなるまで流水で洗い、しっかりと水気を切ってください。

<配合量別>もち麦の炊き方

もち麦は、ごはんと混ぜる量を変えることで食感や味は変わってきます。おすすめの配合量や配合量を変える際のポイントについて見ていきましょう。

おすすめのもち麦の配合量

もち麦配合量は、1割もしくは3割がおすすめ。5割や10割に挑戦してやめてしまうよりも、毎日美味しく続けることが大切です。無理のない範囲で気軽に続けてみませんか。

配合量を変える際のポイント

もち麦の量が多いほど、食物繊維を多くとることができます。もち麦は水溶性食物繊維が豊富なので、腸内環境を整え食後の血糖値上昇をおだやかにしたり悪玉コレステロールを正常にしたりする作用があります。ただし、いきなり量を増やすとお腹がゆるくなったり反対にお腹がはったりすることも。無理せず体調を見ながら自分に合う量を見つけていってください。

もち麦ご飯は冷凍保存しましょう

もち麦にはポリフェノールが含まれているので、炊飯器で保温しておくと変色してしまいます。残った分はラップに包み小分けにして冷凍保存しておくとよいでしょう。冷凍庫にいれておけば2週間から3週間は保存可能です。冷凍庫から取り出して電子レンジで解凍すれば、すぐにほっかほかのもち麦ごはんが食べられます。また、冷凍保存したゆでたもち麦を使用する場合、解凍せずそのままスープなどの煮込み料理にお使いいただけます。

冷凍保存方法

炊飯器で炊いたもち麦ごはんは、小分けにしてラップに包み、粗熱をとってから冷凍庫に入れましょう。このとき密閉するのがポイントです。ゆでたもち麦は、しっかりと水気をとってから、チャック付きのビニール袋に入れて薄い板状になるように伸ばします。菜箸などで筋目を入れて冷凍庫で冷凍しておくと使いたいときにその筋目に沿って割れるので便利です。ゆでたもち麦を製氷皿に入れて冷凍する方法もあります。製氷皿から取り外してキューブ状になったもち麦を密閉袋に保存して、料理する際に少しずつ使うことができます。

手軽に美味しく健康に

食物繊維が豊富なもち麦は、まさに現代人にぴったりの食材です。もち麦専用メニューのある炊飯器で炊けば、プチプチとした食感そのままに、においを抑えてくれ、毎日続けられる美味しさが手に入ります。手軽に、美味しく、健康に。ぜひ生活にもち麦を取り入れてみてくださいね。

教えてくださったのは…


株式会社はくばく

1941年創業、約80年の歴史を持つ食品メーカー。「穀物の感動的価値を創造する」ことにこだわり、小麦粉・乾麺・麦茶・雑穀といった穀物加工食品から、米まで手がけている。